星は自分で自分を引いています。どの深さでも、そこより内側にある質量が重力を生むので、深いところほど引く力は強くなります。
支えるものが何もなければ、星は落ちます。太陽ほどの星なら、自由に落ちるだけで 分ほどでつぶれてしまう計算です。
実際の太陽は 億年つぶれていません。内側から押し返す何かが、重力とちょうど釣り合っているということです。
押し返しているのは何か、なぜ何十億年も続くのか。星の構造とは、この 2 つに尽きます。
星の中から薄い層を 1 枚取り出します。上から乗ってくる重さと、下から押し上げる圧力の差が、その層にはたらく重力とちょうど等しくなければなりません。
これがどの深さでも成り立っている状態を静水圧平衡といいます。星が形を保つための条件です。
深い層ほど上に乗っている質量が多いので、圧力は中心へ向かって高くなります。温度も同じで、中心がいちばん高くなります。
太陽の中心は 万 K、圧力は空気の 億倍ほどです。表面の K とは桁が違います。押し返しているのは、この温度の気体の圧力です。
その温度と圧力があると、水素の原子核どうしが電気の反発を越えて近づき、くっつきます。 個の水素の原子核から 個のヘリウムの原子核ができます。
できたヘリウムは、元の 個を足したものより パーセント軽くなっています。この減ったぶんの質量が、そのままエネルギーになります。
です。 が大きいので、わずかな質量から大きなエネルギーが出ます。太陽は 秒あたり 万トンの質量を光に変えています。
起きるのは中心のごく狭いところだけです。温度が足りるのがそこしかないからです。星の大部分は、そこを包む厚い層です。
中心で生まれた光は、まっすぐ外へは出ていきません。すぐ近くの粒に吸われ、また出され、向きを変えながら少しずつ外へ進みます。
この進み方だと、中心から表面まで 万年以上かかります。いま届いている太陽の光は、中心を出たのがそれだけ昔だということです。
外側では、温かい気体が上がり冷えた気体が下がる動きでも運ばれます。太陽の表面に見える粒のような模様は、その上下の動きが表に出たものです。
表面から出ていく量が光度です。中心で作られる量と表面から出る量が同じであるかぎり、星の見かけは変わりません。
核融合が少し強くなったとします。中心の温度が上がり、圧力が上がって、星は少し膨らみます。膨らむと中心の温度は下がるので、核融合は弱まります。
弱くなったときは逆です。押し返す力が足りずに少し縮み、縮むと中心の温度が上がって核融合は強まります。
どちらへずれても元へ戻ります。戻る性質があるからこそ、星は何十億年も同じ明るさで光り続けられます。
HR 図の主系列は、この釣り合いがまだ続いている星の集まりです。中心の水素が尽きて釣り合いが崩れたとき、星は主系列を離れます。