速さが 2 倍なら運動エネルギーは 4 倍(車が止まるまでの距離で見る)
時速 で走る車と、時速 で走る同じ車。ブレーキを踏んでから止まるまでの距離は、 倍ではなく 倍になります。
速さを 倍にすると 倍になる量が、車のなかに溜まっている。それが運動エネルギーです。
質量に比例し、速さの 2 乗に比例する
質量 の物体が速さ で動いているとき、運動エネルギー は次の式で決まります。
は 乗、 は 乗。ここが効きます。質量を 倍にすると も 倍ですが、速さを 倍にすると 倍になる。
単位はジュール(記号 )です。 の物体が で動いていれば 。

例: の車
時速 は秒速に直すと です。 という割り算になる。
時速 なら で、同じ式に入れます。
万と 万で、ちょうど 倍。速さが 倍になると、 の部分が 倍になるためです。
重いより速いほうが効く
の力士がゆっくり歩いてくる場面と、 の人が全力で走ってくる場面を比べます。
歩く速さを 、走る速さを としました。
| で | |
| で |
質量は 倍も違うのに、運動エネルギーは軽いほうが大きい。速さの差が 倍あり、 乗されて 倍になるためです。

止まるまでの距離も 2 乗で伸びる
冒頭の 倍は、ここから出ます。ブレーキの効き方が同じなら、車は一定の割合で減速する。
等加速度直線運動の式 を、距離について解きます。
距離 が に比例しています。減速の大きさを として、 つの速さを入れる。
と 。速さが 倍なら、止まるまでの距離も 倍になる。

速度制限が 下がるだけで止まる距離が大きく縮むのは、この 乗のためです。
ジュールがどれくらいか
は、 の力で物体を 動かすときの量です。 は ほどの物を支える力になる。
身のまわりの値を並べます。
| できごと | 運動エネルギー |
|---|---|
| 歩く人(60 kg、1.4 m/s) | 59 J |
| 自転車(80 kg、5.0 m/s) | 1000 J |
| 野球のボール(0.145 kg、40 m/s) | 116 J |
| 車(1500 kg、11.1 m/s) | 9.3 万 J |
ボールは軽いので、速くても車とは桁がまるで違う。 の物を 持ち上げるのに要るのが約 なので、自転車の は を 持ち上げる量にあたります。
速さを 倍にすると、運動エネルギーは何倍になりますか。
- 倍
- 倍
- 倍
の物体が で動いています。運動エネルギーはいくつですか。
です。 は をかけ忘れた の値、 は をかけ忘れた の値になります。
速さの 乗という一点だけで、この量のふるまいはほとんど決まります。ぶつかったときの効き方も、止まるまでの距離も、そこから読めます。

















K=21mv2 の v が 3 倍になるので、v2 は 32=9 倍になります。質量を 3 倍にした場合は 1 乗なので 3 倍で、こちらとは効き方が違います。