孔子の思想まとめ|高校倫理

孔子は仁と礼の重要性を説きました。仁は内面のあり方、礼は仁が外側に現れたもの。仁と礼は親子兄弟の愛情(孝悌、こうてい)から始まります。

また孔子は忠恕という考えも強調しています。忠恕は誠実さと思いやりです。人は忠恕をもって生きなければいけないと説きます。孝悌と忠恕は混同しやすいのでまとめておきます。

言葉 意味
親を想い、孝行する
兄や年長者を敬う
誠実である
他人を思いやる

孔子は国の治め方についても言及しています。それが仁による政治、徳治主義です。君子は自分の仁によって民衆を感化し、道徳的な政治を行うべしという考え方で、周(孔子は周、春秋時代の人)などの古代中国を理想的な国と考えていました。

孔子が周(古代中国)を評価した点

思想 内容
封建制度 君子と諸侯が国を所有
礼楽 礼(正しい行動)を重視する思想
敬天 この世には「天」が存在し、天の意志(天命)に従うことが理想である

敬天は、文字通り「天」を敬うこと。孔子は、君子は天命を受けて統治者になるものと考えました。この意味において君子は天子となります。

論語

論語は孔子の言葉を弟子たちが集めたものです。ここでは論語の有名な文をとりあげます。

君子固窮、小人窮斯濫矣(君子固より窮す。小人窮すれば斯に濫る)

※固より…「もとより」、斯に…「ここに」、濫る…「みだる」

意味…君子は初めから苦しんでいる。しかし小人は苦しむと行動が乱れる。ここが君子と小人の違いだ。

過猶不及也(過ぎたるは猶お及ばざるがごとし)

意味…やり過ぎることは足りないことと同じくらいよくない。

学而不思則罔、思而不学則殆(学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し)

※罔し…「くらし」、殆し…「あやうし」

意味…学んだ後に考えなかったらなにも見えないし、考えてばかりで学ばなかったら危険だ。