指数関数は多項式で表される関数(二次関数など)より早く発散します。下表は $y=2^x$ と $y=x^2$ の比較です。
$x$ | $y=2^x$ | $y=x^2$ |
---|---|---|
0 | 1 | 0 |
1 | 2 | 1 |
2 | 4 | 4 |
3 | 8 | 9 |
4 | 16 | 16 |
5 | 32 | 25 |
6 | 64 | 36 |
7 | 128 | 49 |
8 | 256 | 64 |
9 | 512 | 81 |
10 | 1024 | 100 |
11 | 2048 | 121 |
12 | 4096 | 144 |
13 | 8192 | 169 |
14 | 16384 | 196 |
15 | 32768 | 225 |
16 | 65536 | 256 |
17 | 131072 | 289 |
18 | 262144 | 324 |
19 | 524288 | 361 |
20 | 1048576 | 400 |
$x$ が $5$ くらいまではそれほど差はないものの、やがて加速度的に差がついています。指数関数がいかに『強い』関数かわかりますね。
指数関数は無限次関数である
なぜ指数関数はここまで強いか。それは指数関数の「次数」が無限だからです。
指数関数は多項式と根本的に異なりますが、実は多項式のように書けます。これ以上は大学の範囲(テイラー展開)ですが、指数関数を多項式のように表すと無限次関数になります。
\begin{split} e^x &= \sum_{n=0}^\infty \dfrac{x^n}{n!} \\ &= 1+x+\dfrac{x^2}{2!}+\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^4}{4!}+\cdots \end{split}
テイラー展開によって指数関数が無限次の関数であり、どんな多項式も指数関数に勝てないことがわかります。
指数関数が絡む極限の問題は簡単な場合が多い
以上の指数関数の性質から次の公式(?)が得られます。
\[ \lim_{x\to\infty}\dfrac{a_n x^n+a_{n-1} x^{n-1}+\cdots+a_1 x + a_0}{e^x}=0 \]
分母に指数関数、分子に多項式があるような関数はたいてい $x \rightarrow \infty$ で $0$ に収束します。