天の川銀河の姿 — 円盤・バルジ・ハローと、太陽の居場所

帯に見えるのは、内側から見ているから

暗いところで空を見上げると、淡い帯が一周しています。望遠鏡を向けると、この帯は数えきれない星の集まりだと分かります。

なぜ帯なのか。星が空じゅうに一様にあるなら、どこを向いても同じ数が見えるはずです。帯になるということは、星の並びに厚みの薄い向きがある、ということです。

つまり私たちは、平べったい星の集まりの中にいて、それを内側から見ています。円盤に沿った向きを見れば、視線が長いあいだ星の中を通るので、たくさんの星が重なって淡く光ります。

円盤と直角の向きを見れば、視線はすぐ外へ抜けます。だからそちらには星が少ない。帯は、私たちが円盤の中にいることの、いちばん素朴な証拠です。

円盤とふくらみと、その外側

横から見た形を組み立てます。まず、星とガスが集まった薄い円盤があります。渦巻の腕が乗っているのもここです。

中心のあたりは、円盤より厚くふくらんでいます。バルジといい、古い星が詰まっています。

その外側に、球状に広がった領域があります。ハローです。ここには球状星団という、星が数十万個も丸く集まったものが散らばっています。

ハローの星は円盤の星より古く、円盤のように 1 つの向きにそろって回っていません。銀河はまず球状に集まり、そのあと平たい円盤ができた、という順番の名残です。

太陽は中心にいない

帯の見え方だけでは、私たちが円盤のどこにいるかは分かりません。真ん中にいるようにも見えるからです。実際、長いあいだそう考えられていました。

手がかりになったのが球状星団です。ハローに散らばっているので、円盤のガスに邪魔されずに遠くまで見えます。そして、その分布は空のあちこちに散らばらず、いて座の方向に偏っています。

球状星団が銀河全体を取り巻いているのなら、その分布の中心が銀河の中心です。偏って見えるということは、私たちがその中心から離れたところにいる、ということになります。

こうして太陽の居場所が決まりました。円盤の中ほど、中心から キロパーセクあたりです。中心にいるという思い込みは、分布を測ることで外れました。

内側ほど速く回る

円盤は回っています。ただし、レコード盤のように全体が同じ角度ずつ回るのではありません。

中心に近い星ほど、1 周にかかる時間が短い。外の星ほど遅い。これを差動回転といいます。図で中心から真っすぐ引いた星の列を回すと、内側が先へ進み、列はみるみる巻き込まれていきます。

ここで困ったことが起きます。渦巻の腕が星でできた列なら、何回転かするうちに巻き込まれて消えてしまうはずです。ところが渦巻銀河はどれも、はっきりした腕を保っています。

だから腕は、決まった星でできた物ではありません。星が混み合って通り抜けていく、密度の高いところが回っている、と考えます。渋滞の列が、車とは別の速さで動いていくのと同じです。回り方そのものは、回転曲線の記事で測ります。