クレタ島でミノア文明が発達し、線文字Aが使用されました。
古代ギリシャは紀元前8世紀頃から紀元前146年までの期間に栄えた文明で、現在のギリシャ本土、エーゲ海の島々、小アジア西岸、南イタリアなどの地中海沿岸地域に広がっていました。
ペロポネソス半島を中心にミケーネ文明が栄え、線文字Bでギリシャ語が記録されました。
海の民の侵入やドーリア人の南下により、ミケーネ文明が崩壊し約400年間の暗黒時代に入りました。
ポリス(都市国家)が形成され、ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』が成立しました。
アテナイでクレイステネスによる民主制改革が行われ、世界初の民主制が確立されました。
アテナイを中心とするギリシャ都市とペルシア帝国との戦争が勃発し、ギリシャが勝利しました。
アテナイとスパルタの対立が頂点に達し、長期間の戦争によりアテナイが敗北しました。
マケドニアのアレクサンドロス大王が東征を開始し、ヘレニズム文化を広めました。
コリントスの陥落によりギリシャがローマの属州となり、古代ギリシャの独立は終焉を迎えました。
政治制度の発展
古代ギリシャの最も重要な特徴の一つは、ポリス(都市国家)という政治単位の発達でした。各ポリスは独立した主権を持ち、独自の政治制度を発達させました。
全市民による直接民主制を採用し、民会での議論と投票により政治的決定を行いました。ただし、女性、奴隷、外国人は市民権から除外されていました。
王政と貴族制を組み合わせた軍事国家で、厳格な身分制度と軍事訓練を重視する社会制度を築きました。
文化と学問の発達
古代ギリシャは哲学、芸術、科学の分野で画期的な発展を遂げ、後の西洋文明に大きな影響を与えました。
タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネスなどのミレトス学派が、神話的説明ではなく理性的思考によって自然現象を説明しようと試みました。その後、ソクラテス、プラトン、アリストテレスが体系的な哲学を構築しました。
ディオニュソス神の祭典から発展した悲劇と喜劇が確立され、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスなどの偉大な悲劇作家が活躍しました。
ヘロドトスが「歴史の父」と呼ばれ、ペルシア戦争について記録を残しました。トゥキディデスは客観的な史料批判に基づく歴史叙述を確立しました。
ピタゴラスの定理、ユークリッド幾何学、アルキメデスの発見など、数学や物理学の基礎が築かれました。
宗教と神話
古代ギリシャの宗教は多神教で、オリンポス十二神を中心とした豊かな神話体系が発達しました。
宗教的祭典の中でも特に重要だったのが、紀元前776年から始まったオリンピック競技会で、4年ごとにゼウス神を讃えて開催され、競技期間中は全ギリシャで戦争が停止されました。
現在のオリンピックの起源となった古代の汎ギリシャ的な競技大会。
経済と社会
古代ギリシャの経済は農業と商業に基づいており、地中海全域にわたる植民活動により交易ネットワークを拡大しました。
農業中心の自給自足経済
オリーブ油・ワイン・工芸品の輸出
穀物・金属・奴隷の輸入
貨幣制度の普及と商業の発達
ヘレニズム時代
アレクサンドロス大王の東征後、ギリシャ文化は東方世界と融合し、ヘレニズム文化が形成されました。この時代には、アレクサンドリア、アンティオキア、ペルガモンなどの都市が文化の中心となり、学問と芸術が大いに発展しました。
古代ギリシャ文明は、民主制、哲学的思考、芸術的表現、科学的探究心など、現代西洋文明の根幹となる多くの要素を生み出しました。