古代ギリシア思想の中心的な問題は「万物の根源は何か?」という問いです。根源はアルケーともいいます。例えばタレスはアルケーを水と考えました。
哲学者とアルケーのまとめ
哲学者 | アルケー |
---|---|
タレス | 水 |
アナクシメネス | 空気 |
アナクシマンドロス | アペイロン(限定を受けないもの) |
デモクリトス | アトム(原子) |
ヘラクレイトス | 火 |
エンペドクレス | 四元素(火、水、土、空気) |
アナクサゴラス | 種子・理性 |
ピタゴラス | 数 |
ミレトス学派
上の表で出てきたタレス、アナクシメネス、アナクシマンドロスの三人をミレトス学派という。ミレトスはイオニアにあった地域(都市)。
タレス
アナクシメネス
アナクシマンドロス
タレスは日食を予言し、ピラミッドの高さを測った学者としても知られ、自然哲学の祖と呼ばれます。
アナクシマンドロスのアペイロンはト・アペイロンということもあります。
デモクリトス
デモクリトスはアトムという「それ以上細かくできないもの」がケノンという「何もない空間」で運動すると考えました。これはまさに化学の原子の話です。
ヘラクレイトス
ヘラクレイトスは「万物は流転する」の言葉で有名。万物は流転すると主張しながら、万物の根源は火であると唱えた点に面白さがあります。
エンペドクレス
エンペドクレスは他の思想家と異なり、四つのもの(火、水、土、空気)を元素としています。
これと比較される考えが古代中国の五行説です。五行説は木、火、土、金、水の五つを根本的な元素としています。
その後の発展
デモクリトスの原子論はエピクロス(アタラクシアと快楽主義で有名な哲学者)に受け継がれました。
エピクロスは、人間は原子の集まりにすぎず、死ぬときは原子に分解されるだけだから恐れる必要はないと考えました。