「無用の長物」とは、邪魔なばかりで役に立たないこと。「蛇足」とは、余計なばかりで役に立たないこと。「good for nothing」は何も役に立たないこと。
この三つの言葉はとてもよく似ているが、それぞれ微妙に異なるニュアンスを持っている。
- 無用の長物 … 邪魔
- 蛇足 … 余計
- good for nothing … 無用
「無用の長物」と「蛇足」は単に役に立たないだけではない。「無用の長物」は邪魔、「蛇足」は余計という気持ちが強くこめられている。一方、英語の「good for nothing」はそういったニュアンスはあまり持っていない。
good for nothing の例
- 定期券の入っていない定期券入れ
- 壊れた電化製品 → 無用の長物?
- インクのないボールペン
無用の長物の例
- エンターキーのないキーボード
- コントローラーのないゲーム機
- 底が破れたカバン
蛇足の例
- みかんの生産量の県別ランキングにおけるビリ三県
無用の長物と蛇足の違いは主語が物体になるかどうかという点にも出る。無用の長物はもともと「長いだけで使いようもない」という意味で、物体が主語になる。一方、蛇足は物体というよりは、考え方や話など、少し抽象的なものが主語になる。