銅(II) イオンにアンモニア分子が 4 つ配位した錯イオンである。硫酸銅(II)水溶液に少量のアンモニア水を加えると水酸化銅(II)の青白い沈殿ができ、さらに加えると沈殿が溶けて深青色の水溶液になる。この深青色がこの錯イオンの色である。
配位数は 4 だが、立体構造は正四面体形ではなく正方形である。配位子が 4 つの錯イオンは正四面体形になるものが多いなかで、銅(II) は例外にあたる。銅(II) は d 軌道の電子が 1 つだけ欠けた状態で、上下方向の結合が伸びて平面に近づくほうが安定になるためである。
色は d 軌道の電子が光を吸収することで生まれる。水和した銅(II) イオンの淡い青に比べて、アンモニアが配位したこの錯イオンははるかに濃い青になる。配位子が変わると、吸収する光の波長も変わるためである。