解説

電磁波

電磁波は、電場と磁場がたがいを生み合いながら進んでいく波です。図では電場を縦の向きに、磁場を奥行きの向きに描いてあります。2 つは直角に交わったまま、どちらも進行方向とも直角で、同じ位相で振れます。音のように媒質を押し縮める波ではなく、振れる向きが進行方向と直交する横波です。真空でも進めるのは、振れているのが物質ではなく場そのものだからです。

この波を生むのはマクスウェル方程式の後半の 2 つです。ファラデーの法則は、磁場が時間とともに変われば渦を巻く電場が生まれることを言います。アンペール・マクスウェルの法則は、電場が時間とともに変われば磁場が生まれることを言います。片方の変化がもう片方を生み、その生まれたほうの変化がまた最初のほうを生む。この連鎖が途切れないので、いったん出発した波は源から離れても進み続けます。

進む速さは物質の性質ではなく、真空の誘電率と透磁率だけで決まります。この 2 つから出てくる値が毎秒およそ 2.998 億メートルで、測った光の速さとぴたりと合いました。光そのものが電磁波だと分かったのはこの一致からです。方程式パネルにその式を置いてあります。

周波数を動かすと波長が変わります。速さは変わらないので、1 秒あたりの振れの回数が増えれば、1 回ぶんの長さはそのぶん縮みます。パネルの周波数は 405 から 790 テラヘルツまでで、これは目に見える光の範囲です。波長でいえばおよそ 380 から 740 ナノメートルにあたり、図の電場の色もその波長の光の色に合わせて変わります。赤の側が長く、紫の側が短い波長です。

電場と磁場の大きさは同じではありません。磁場の値は電場の値を光速で割ったものなので、同じ物差しで描くと磁場は図の上でほとんど平らな線になってしまいます。そこで図の磁場には光速の値を掛け、電場と同じくらいの高さになるようにしてあります。振れ方の形と位相はそのままなので、2 つが同時に山になり同時に谷になることは、この図でそのまま確かめられます。

エネルギー流を出すと、進行方向に沿った矢印が現れます。これはポインティングベクトルで、電場と磁場の外積として決まり、電磁波がどちらへどれだけのエネルギーを運んでいるのかを表します。大きさは振れの 2 乗に比例するので、山と谷でいちばん長く、振れが 0 になる節ではほとんど消えます。太陽の光が地面を温めるのも、電波が受信機のアンテナを揺らすのも、運ばれてきたこのエネルギーが受け取られた結果です。

図の視点は傾けられます。傾きを浅くすると奥行きが潰れて磁場が読みにくくなり、深くすると電場と磁場が重なって見分けにくくなります。キャンバスを横へ引っぱっても同じように視点が回るので、2 つの場がどの向きに立っているのかを、いろいろな角度から確かめてください。