電磁波の全域(電波・赤外線・可視光・紫外線・X 線・ガンマ線)

全部を 1 本の帯に並べる

電磁波の波長は、長いほうが数キロメートル、短いほうが原子より小さいところまであります。15 桁ほども違うので、長さをそのまま横に取ると帯になりません。図では桁を横に取っています。

長いほうから電波・マイクロ波・赤外線・可視光・紫外線・X 線・ガンマ線と呼び分けます。境目はきっちり決まっているわけではなく、作り方や使い道でおおよそ引かれた線です。

目に見える範囲は帯のほんの一筋しかありません。図では、その一筋だけを下へ引き伸ばして色を付けてあります。人が世界を見ているのは、この幅を通してです。

呼び名が変わるだけ

名前は 7 つありますが、7 種類の波があるわけではありません。どれも電場と磁場がたがいを生みながら進む同じ波で、違うのは波長だけです。

真空中の速さはどれも同じです。テレビの電波も、目に見える光も、レントゲンの X 線も、同じ毎秒 2.998 億メートルで進みます。

図の指針を動かすと、波長が縮んでいくにつれて名前だけが次々に変わっていきます。波の姿は最後まで同じままです。

波長と、ものの大きさ

何を通り抜け、何に当たるかは、波長とものの大きさの釣り合いで決まります。波長のほうがずっと長ければ回り込んで素通りし、同じくらいなら散らばり、ずっと短ければ遮られます。

電波が建物の陰まで届くのは、波長が数十センチから数メートルもあって建物の細かい凹凸を回り込めるからです。可視光が壁を通らないのは、波長がずっと短いためです。

X 線が体を通るのに骨で止まるのも同じ話です。波長が原子の間隔に近いので、その並びに引っかかります。結晶に X 線を当てて原子の並びを調べられるのも、この釣り合いのおかげです。

1 個ぶんのエネルギー

電磁波は、細かく見れば光子という粒の集まりとしてやり取りされます。光子 1 個が持つエネルギーは E=hfE = hf で、周波数に比例します。

波長が短いほど周波数は高く、光子 1 個は大きなエネルギーを持ちます。図の線が右上がりなのはそのためです。

ある大きさを越えると、光子 1 個で原子から電子をはじき出せるようになります。ここから先が電離放射線で、紫外線の一部から X 線・ガンマ線がこれにあたります。電波を強くしても日焼けしないのは、いくら数を増やしても 1 個ぶんが小さいままだからです。