波には 2 つの型があります。振れる向きが進む向きと直角なものを横波、振れる向きが進む向きと同じものを縦波といいます。図の上が横波で、印を付けた点は上下にしか動きません。波が右へ進んでも、点そのものは右へ運ばれていきません。
図の下が縦波です。点は進む向きそのものへ前後に揺れ、その結果、混み合うところと離れるところが交互にできます。音がこの型で、空気の密と疎が耳へ届きます。
電磁波は横波です。振れているのは電場と磁場の向きで、それは進む向きと直角を保ちます。この一点だけで、音とは別のものだと分かります。
電磁波の断面を 1 か所だけ取り出すと、そこには電場と磁場が 1 本ずつ立っています。2 つはたがいに直角で、どちらも進む向きと直角です。 と書きます。 が進む向きです。
この直角は偶然ではありません。真空にはどこにも電荷がないので、ガウスの法則 から、電場は進む向きの成分を持てません。磁場も から同じことになります。残るのは進む向きと直交する成分だけです。
図では磁場を奥へ倒して描いています。実際には電場の面と磁場の面が直角に交わっていて、その交わる線が進む向きにあたります。
電場と磁場は、同じところで同時に山になり、同時に谷になります。これを同位相といいます。片方が山のときにもう片方が 0 になる、ということは起こりません。
図では 2 つを上下に分けて描いてあります。重ねると線が交わって読めなくなるためで、山のところを縦の線で結んであります。この線がいつも 2 本の山を同時に通ることが、同位相ということです。
大きさのほうは同じではありません。 という関係があり、磁場の値は電場の値を光速で割ったものになります。同じ物差しで描けば磁場はほとんど平らな線になってしまうので、図では光速の値を掛けて見えるようにしてあります。
音は空気や水や金属の中しか進めません。振れているのが物質そのものだからで、物質がなくなればそこで止まります。図の上の段がその様子です。
電磁波は真空を進みます。振れているのが物質ではなく場そのものだからです。太陽の光が 1 億 5 千万キロメートルの真空を越えて地上まで届くのは、この性質があるからです。
19 世紀には、光を運ぶ媒質があるはずだと考えられ、エーテルと呼ばれていました。それを探した実験がことごとく何も見つけなかったことが、媒質は要らないという結論への手がかりになりました。