マクスウェル方程式から波の式を作ると、その速さが式の中に出てきます。出てくるのは という形で、右辺にあるのは真空の誘電率と真空の透磁率の 2 つだけです。
誘電率は、電荷が作る電場の強さを決める定数です。クーロンの法則で測ります。透磁率は、電流が作る磁場の強さを決める定数で、2 本の導線が引き合う力から測ります。どちらも光とは関係のないところで決まった値です。
速さを決めるのに、媒質も光源も出てきません。真空そのものの性質だけです。
2 つの定数を入れて計算すると、毎秒およそ 2.998 億メートルになります。当時すでに天文観測と地上の実験から光の速さが測られていて、その値とぴたりと合いました。
マクスウェルはこの一致を偶然とは考えませんでした。光は電磁波である、という結論がここから出ます。それまで別々に研究されてきた電気と磁気と光が、1 つの理論に収まりました。
図の 2 本はいつまでも並んだままで、離れません。式から出した値と、光を測った値が同じだということが、この図の言いたいことです。
真空中では、波長がどれだけ違っても速さは同じです。図の 3 本は山の数がまるで違いますが、模様が進む速さは 3 本とも同じで、縦の線はずっと 3 本を同じ位相で貫いています。
速さと波長と周波数は で結ばれています。 が変わらないので、周波数が上がればそのぶん波長が縮みます。片方を決めればもう片方も決まる、という関係です。
遠い星の光がどの色も同時に届くのは、この性質があるからです。もし色によって速さが違えば、星が瞬くたびに色がずれて届くはずですが、そうはなりません。
ガラスや水の中では、光は真空中より遅く進みます。中の電子が電磁波に揺すられ、その電子がまた電磁波を出し、それが元の波と重なるからです。全部を足し合わせた結果が、遅れて進む 1 本の波になります。
遅くなった割合を屈折率といいます。ガラスならおよそ 1.5 で、真空中の 3 分の 2 ほどの速さになります。
このとき周波数は変わりません。境目で 1 秒あたりの振れの回数が変わってしまえば、そこで波がちぎれてしまいます。変わるのは波長のほうで、速さが落ちたぶんだけ縮みます。図の右側で山が詰まっているのがそれです。