腕や脚を動かす筋を骨格筋といいます。長さは数 cm から数十 cm で、目で見える大きさです。
全体を筋外膜という膜が包んでいます。両端は腱になって骨につき、筋が縮むと骨が引かれて関節が動きます。
図の中に細い線が何本か走っています。これが次の段の筋束です。ここから中へ、6 段の入れ子を下りていきます。
筋の中は、筋束という束に分かれています。直径は 0.1 mm から 1 mm ほどです。
図は筋束を輪切りにしたところです。外側を囲んでいるのが筋周膜で、束と束を仕切っています。
中に詰まっている 1 マスずつが、次の段の筋線維の断面です。1 つの筋束には数十本から数百本が入っています。
筋束をほどくと、筋線維が出てきます。直径は 10 µm から 100 µm、長さは筋の端から端まで届くこともあります。
これで細胞ひとつです。筋線維は筋細胞ともいいます。
核が多数あって、細胞のふちに並んでいます。筋線維は、もとは別々だった細胞が融合してできるからです。核が中央にないのは、中央が次の段のもので埋まっているためでもあります。
筋線維の中を縦に走っているのが筋原線維です。直径は 1 µm から 2 µm で、細胞の中を隙間なく埋めています。
これが縮む装置そのものです。筋線維が縮むのは、中の筋原線維がいっせいに縮むからです。
図では 4 本を並べてあります。どの本も同じところに縞があり、その位置がそろっています。そろっているから、顕微鏡で見ると 1 本ずつではなく全体が縞に見えます。
筋原線維の縞ひと目盛りをサルコメア、または筋節といいます。長さは約 2 µm です。
両端の太い縦線が Z線で、Z線から次の Z線までが 1 個です。収縮の最小単位で、短くなるのはここだけです。
1 本の筋原線維には、これが直列に数万個つながっています。1 個が 0.4 µm 縮むだけでも、数万個ぶんが足されて筋全体では数 cm 動きます。
サルコメアの中身は 2 種類のフィラメントです。太いほうが直径 15 nm、細いほうが 7 nm です。
太いフィラメントはミオシンという分子の束です。1 個の分子が頭部 2 個と尾部からできていて、尾部を束ねると頭部だけが外へ突き出します。
細いフィラメントはアクチンが 2 本鎖によじれたもので、その溝にトロポミオシンの帯が乗り、帯にトロポニンが 3 つ組で付いています。
この 2 種類がすれ違うことが、収縮の正体です。6 段下りた先にあるのは、突き出た頭部が相手をつかんで引く、それだけの動きです。