力は、太いフィラメントの頭部が細いフィラメントをつかんで引くことで生まれます。
つまり、力を出せるのは 2 種類のフィラメントが重なっているところだけです。重なっていない頭部は、つかむ相手がいないので何もしていません。
図で長さを往復させています。重なりが広いときは濃い色の頭部が多く、狭いときは薄い色の頭部が増えます。濃いほうが、いま働いている頭部です。
長さ 3.4 µm で止めてあります。I帯 が広く、H帯 も広くなっています。
細いフィラメントが遠ざかったので、中央付近の頭部は届きません。届かない頭部は力に加われないので、そのぶん張力が落ちます。
さらに伸ばして 3.6 µm を越えると重なりがなくなり、どの頭部も相手をつかめなくなって、張力は 0 になります。
今度は 1.7 µm で止めてあります。H帯 は消え、細いフィラメントが中央で行き違っています。
左右から来た細いフィラメントがぶつかり合い、本来つかむはずだった相手とは反対側の頭部の前に来てしまいます。
さらに縮めると、太いフィラメントの端が Z線に突き当たります。ここまで来ると太いフィラメント自体が押しつぶされるので、張力は急に落ちます。
ここまでを 1 本の曲線にまとめたものが、長さ-張力曲線です。横軸がサルコメア長、縦軸が出せる張力です。
2.0 µm から 2.25 µm のあたりに平らな部分があります。ここではすべての頭部が細いフィラメントに届いていて、張力は最大です。この長さを最適長といいます。
そこから右は、重なりが減るぶんだけ直線的に落ちます。左は、いま見た 2 つの理由で急に落ちます。
体の中では、関節が動く範囲の筋の長さがこの平らな部分の近くに収まっています。いちばん力が出る長さで使えるように、骨と腱の付き方が決まっているのです。