原子は原子核と電子からなります。地球が太陽の周りを回っているように、電子も原子核の周りを回っている。太陽の直径は地球の直径の約 100 倍ですが、原子核(例えば水素の原子核)の直径は電子の直径の約 10 万倍。
- 電子は原子核の周りを回っている
- 原子核は電子よりずっと大きい
原子はとても小さいが、電子はさらに小さい。原子核はさらに陽子と中性子からなります。電子、陽子、中性子はそれぞれ次の性質をもちます。
物質 | 性質 |
---|---|
電子 | 負の電気をもつ |
陽子 | 正の電気をもつ |
中性子 | 電気をもたない |
イオン
原子にある電子と陽子の数は(基本的に)同じで、電子が 2 個あるときは陽子も 2 個あります。電子が 23 個あるなら陽子も 23 個。このとき 23 個のマイナス電気と 23 個のプラス電気があるため、全体として電気は 0 になる。
\[ (-23) + 23 = 0 \]
原子は電子を放ったり受けとったりできる。
自分のもっている電子を放つと、その分だけプラスの電気を帯びて陽イオンになります。逆に、自分のもっていない電子を余計に受けとると、マイナスの電気を帯びて陰イオンになります。
例えば 23 個の電子、 23 個の陽子をもつ原子が、 1 個の電子を放った場合、電子は 22 個、陽子は 23 個だから
\[ (-22) + 23 = 1 \]
1 個だけプラスが多くなり、陽イオンとなります。
逆に 1 個の電子を受けとった場合、電子は 24 個、陽子は 23 個だから
\[ (-24) + 23 = -1 \]
1 個だけマイナスが多くなり、陰イオンになります。
電子を放つ → 陽イオン
電子を受けとる → 陰イオン
イオン式
イオンはイオン式で表します。陽イオンであればプラス、陰イオンであればマイナスを元素記号の右肩につけます。
イオン | 意味 |
---|---|
Na+ | Na が 1 個の電子を放った陽イオン |
K+ | K が 1 個の電子を放った陽イオン |
H+ | H が 1 個の電子を放った陽イオン |
Cl- | Cl が 1 個の電子を受けとった陰イオン |
Mg2+ | Mg が 2 個の電子を放った陽イオン |
O2- | O が 2 個の電子を受けとった陰イオン |
鉄(Fe)が 3 個の電子を放った陽イオンはどのようなイオン式になるでしょうか?
解答
Fe3+
原子がイオンになる式
電子は e- で表します。ナトリウム(Na)が 1 個の電子を放って陽イオン(Na+)になる式は
Na → Na+ + e-
となります。原子が電子を受けとって陰イオンになる反応は
Cl + e- → Cl-
です。
例
H → H+ + e-
K → K+ + e-
Ag → Ag+ + e-
Mg → Mg2+ + e2-
Ca → Ca2+ + e2-
Zn → Zn2+ + e2-
Cl + e- → Cl-
O + e2- → O2-
電離
食塩などの物質は水に溶けると陽イオンと陰イオンにわかれます。これを電離といいます。
電離の式
NaCl → Na+ + Cl-
水中で食塩はナトリウムのイオンと塩素のイオンにわかれます。
食塩などの電離する物質は、水に溶けて陽イオンと陰イオンにわかれますが、このとき水溶液は電気を通します。
一方、砂糖などの電離しない物質は、水に溶けても陽イオンと陰イオンにわかれないため、水溶液は電気を通さない。
電離する物質の例
食塩
塩化銅