細胞周期とは(間期・G1 期・S 期・G2 期・M 期・DNA 量の変化)

細胞は同じ道を回り続ける

細胞は分裂して 2 つになり、その 2 つがまた育って分裂します。同じ道をくり返し回るので、この一巡を細胞周期といいます。

一巡は大きく 2 つに分かれます。分裂そのものが起きている M 期(分裂期)と、それ以外の間期です。図の円を回っている印が、いまどこにいるかを表しています。

一目で分かるのは、間期が円のほとんどを占めていることです。教科書では分裂の図がいちばん大きく載っていますが、時間で見れば細胞はほとんどの時間を間期で過ごしています。

分裂は細胞の一大事のように見えて、周期の中では短い出来事です。この感覚を先に持っておくと、あとの話が入りやすくなります。

間期は 3 つに分かれる

間期は何もしていない時間ではありません。順に G1 期・S 期・G2 期の 3 つに分かれ、それぞれやることが決まっています。

G1 期は細胞が大きく育つ時間です。必要なタンパク質をつくり、体積を増やします。染色体はまだ細い糸のままで、核の中に広がっています。

S 期が複製の時間です。DNA がそっくり写し取られ、染色体は 2 本の姉妹染色分体を持つようになります。S は合成(synthesis)の頭文字です。

G2 期は分裂に入る前の点検の時間です。複製がきちんと終わったかを確かめ、分裂に使う道具をそろえます。ここを通ってはじめて M 期に入ります。

M 期はこれだけ短い

時間の長さを帯にして並べてみます。一巡がおよそ 24 時間の細胞では、G1 期が 11 時間ほど、S 期が 8 時間ほど、G2 期が 4 時間ほどで、M 期は 1 時間ほどです。

M 期は一巡の 20 分の 1 にもなりません。図では M 期だけを引き伸ばして、その中の前期・中期・後期・終期がどう並ぶかを示しています。引き伸ばさないと、細すぎて何も見えません。

長さは細胞の種類で変わります。ここに出した数はヒトの培養細胞のおよその値で、覚えるべき数値ではありません。覚えるのは順番と、M 期が短いという比のほうです。

分裂している細胞を顕微鏡で探すと、なかなか見つからないことがあります。それはその細胞が分裂しないからではなく、分裂している時間が短いからです。

DNA 量の階段は、S 期にだけある

細胞周期を横軸に伸ばし、DNA の量を縦軸に取ります。もとの量を 1 として、その何倍かで見ます。

G1 期のあいだは 1 のまま平らです。S 期に入ると少しずつ増えて、終わるところで 2 になります。増えているのはこの区間だけで、ここが複製そのものです。

G2 期と M 期の途中までは 2 のまま平らです。最後の細胞質分裂で 2 つに分けられ、1 つあたりの量は 1 に戻ります。ここは分けただけで、減らしたわけではありません。

このグラフを見せて「S 期はどこか」と問う出題がよくあります。答えは、線が斜めに上がっている区間です。平らなところではなく、上がりきったところでもありません。