間期のあいだに中心体も複製され、2 つになっています。前期に入ると、この 2 つが細胞の中を回り込むようにして、反対側の端へ離れていきます。
離れながら、そこから細い糸が伸び始めます。これが紡錘糸で、全体を紡錘体といいます。中心体が着いた場所が極になり、細胞の中に軸ができます。
極のまわりに放射状に伸びる糸もあります。これは星状体で、極そのものを細胞の端に固定する役目をします。動物細胞にはありますが、植物細胞にはありません。
この段階で、細胞は「どちらへ分かれるか」を決めています。あとで細胞がくびれる位置は、この 2 つの極を結ぶ線の真ん中です。
前中期になると核膜が崩れ、それまで核の中にあった染色体が紡錘糸の届くところへ出てきます。核膜が壊れるのは事故ではなく、こうしないと糸が染色体に届かないからです。
糸が結合するのは、染色体のどこでもよいわけではありません。動原体という決まった場所にだけ結合します。動原体は染色体 1 本につき 1 か所、姉妹染色分体それぞれの側に 1 つずつ向いています。
図では、片方の極から伸びた糸だけが結合したところを見せています。この状態では片側からしか引かれないので、染色体はその極のほうへ引き寄せられます。
両方の極から糸が結合すると、引き寄せられるのが止まります。次の場面が、その止まった状態です。
中期になると、染色体は細胞の真ん中に一列に並んで止まります。この面を赤道面といいます。
ここで多い誤解が、「引く力がなくなったから止まった」というものです。そうではありません。左右の極から同じ強さで引かれていて、その 2 つがつり合っているから動かないのです。
図の矢印が、両側から掛かっている力です。長さが同じあいだ、染色体は真ん中から動きません。試しに片方の矢印を強くすると、染色体はその側へずれていきます。つり合っていたことは、崩したときにはじめて見えます。
すべての染色体が両側から結合してつり合うまで、細胞は次へ進みません。1 本でも結合していないものがあると、そこで待ちます。分け損なわないための仕組みです。
後期に入ると、姉妹染色分体をつないでいたところが外れます。つないでいたものがなくなるので、両側から引かれていた 2 本はそのまま反対向きに動き出します。
力が急に強くなったのではありません。力は前から掛かっていて、それを押さえていたつなぎが外れただけです。ここまでの場面をひとつづきに見ると、そのことがそのまま見えます。
同時に、極と極を結ぶ糸が伸びて細胞が長くなります。染色体を引き離すだけでなく、細胞そのものを分裂の軸へ引き伸ばして、2 組を十分に離します。
極に着いた染色体のまわりに核膜ができ直すと終期です。あとは細胞質が 2 つに分かれるのを待つだけになります。