対合してできた二価染色体には、染色分体が 4 本あります。母方の 2 本と父方の 2 本が、並んで束になっています。
このうち、向かい合った内側の 2 本が交差します。母方から 1 本、父方から 1 本です。外側の 2 本は交差しません。
交差している点をキアズマといいます。図では、近づいた 4 本のうち内側の 2 本が重なるところまでを動かしています。
なぜ内側かというと、寄り添っている面がそこだからです。触れていないものは交差しようがありません。4 本すべてが入れ替わらない理由は、この配置そのものにあります。
交差した点で染色分体が切れ、相手とつなぎ直されます。これが乗換えです。切ってつなぐので、キアズマから先の腕がそっくり入れ替わります。
図では、色が入れ替わるところをそのまま見せています。桃色の染色分体の上の腕が青色になり、青色の染色分体の上の腕が桃色になります。
入れ替わったのは腕の長さぶんの遺伝子です。1 個ではなく、そこから先に並んでいたもの全部がまとめて動きます。
できあがった染色分体は、母方でも父方でもない新しい組み合わせを持っています。これを組換えといい、そういう染色分体を組換え型といいます。
乗換えが終わった 4 本を、束から取り出して並べてみます。
外側の 2 本は交差していないので、もとのままです。桃色は全部桃色、青色は全部青色で、これを非組換え型といいます。
内側の 2 本だけが、途中で色の変わった組換え型です。4 本のうち 2 本、つまり半分だけが組み換わったことになります。
ここを「全部が組み換わる」と覚えていると、あとで組換え価を計算するときに答えが 2 倍ずれます。1 か所のキアズマで組換え型になるのは 4 本のうち 2 本まで、と形で覚えておくと間違えません。
キアズマができる場所は決まっていません。同じ二価染色体でも、細胞ごとに違うところで交差します。
図では、キアズマの位置を動かしています。動原体の近くで切れれば、入れ替わる腕は長くなります。腕の先のほうで切れれば、入れ替わるのは短い部分だけです。
2 つの遺伝子が染色体の上で離れているほど、そのあいだで切れる機会は多くなります。逆に近くに並んでいる遺伝子は、切れ目がそのあいだに入ることが少ないので、いっしょに動きやすくなります。これが連鎖です。
乗換えは、独立の法則とは別の道すじで組み合わせを増やしています。独立の法則が対どうしの組み合わせを増やすのに対して、乗換えは 1 本の染色体の中身そのものを作り替えています。