独立の法則(相同染色体の分配・配偶子の組み合わせ・2 の n 乗)

中期 I で、対の向きが決まる

中期 I では、二価染色体が赤道面に並びます。並ぶとき、対の一方が左を向き、もう一方が右を向きます。

どちらの側にどちらが行くかは、決まっていません。母方が左のこともあれば、右のこともあります。並ぶたびに、その場で決まります。

図では、1 つの対だけを取り出して 2 つの並び方を見せています。母方が左に来る並びと、右に来る並びです。この 2 通りが同じくらいの割合で起こります。

向きが決まると、後期 I でどちらの細胞へ行くかも決まります。だから、この一瞬の向きが、できる細胞の中身を決めていることになります。

対ごとに独立なので、並び方は 4 通り

対が 2 組あるときを考えます。長いほうの対と短いほうの対です。

大事なのは、長いほうの向きが短いほうの向きに影響しない、ということです。長いほうの母方が左を向いたからといって、短いほうの母方も左を向くとはかぎりません。それぞれ勝手に決まります。これを独立の法則といいます。

それぞれが 2 通りずつなので、2 つあわせた並び方は 2 × 2 で 4 通りになります。図に 4 通りすべてを並べました。

よく見ると、4 通りのうち 2 通りずつが左右を入れ替えただけの同じ形です。それでも、左の細胞へ行く組み合わせは 4 通りとも数え上げておくほうが、次の場面で数え間違えません。

できる配偶子は 4 種類

4 通りの並び方から、それぞれどんな細胞ができるかを見ます。乗換えは、ここでは起きないものとして数えます。

長いほうの母方と短いほうの母方が同じ側に行けば、母方だけを持つ細胞ができます。父方どうしなら父方だけの細胞です。片方ずつが混ざれば、長いほうは母方で短いほうは父方、という細胞ができます。

できる組み合わせは、母と母、母と父、父と母、父と父の 4 種類です。図に 4 つを並べました。もとの細胞は 1 種類だったのに、できる配偶子は 4 種類あります。

ここで増えているのは、遺伝子そのものではありません。持っているものは同じで、その組み合わせだけが増えています。

n 対なら 2 の n 乗

対の数を増やすとどうなるかを考えます。1 対増えるごとに、それぞれの並び方に対して 2 通りずつ枝分かれします。

つまり n 対あれば、組み合わせは 2 の n 乗です。2 対で 4 通り、3 対で 8 通り、4 対で 16 通りと増えていきます。

ヒトの染色体は 23 対です。2 の 23 乗は 8388608 で、800 万をこえます。独立の法則だけで、1 人の人から 800 万種類をこえる配偶子ができることになります。

これに乗換えが加わります。乗換えは 1 本の染色体の中身そのものを作り替えるので、組み合わせはここからさらに増えます。兄弟姉妹が似ていながら同じではない理由が、この 2 つです。