アルミニウムは何故「電気の缶詰」と呼ばれるのか

電子は内側から 2 個、8 個、3 個

アルミニウムの原子は、原子核の周りに 13 個の電子を持っています。
電子は K 殻に 2 個、L 殻に 8 個、M 殻に 3 個が入ります。

一番外側の M 殻の 3 個の電子を手放して、3 価の陽イオン \mathrm{Al}^{3+} になります。

アルミニウムは周期表の 13 族の元素です。
地殻の中では酸素、ケイ素に次いで 3 番目に多い元素で、金属の元素の中では一番多く含まれています。

表面の膜が内側を守る

アルミニウムは酸素と結び付きやすい金属です。
空気に触れると、直ぐに表面に薄い酸化アルミニウム \mathrm{Al_2O_3} の膜が出来、その内側には酸素が届かなくなります。
そのため、錆がそれより奥へ進みません。

この膜を電気分解で人工的に厚くしたものをアルマイトと言い、鍋や薬缶などに使われています。

濃い硝酸に入れても、表面にこの膜が出来て、それ以上溶けなくなります。
このような状態を不動態と言います。

酸とも塩基とも反応する

アルミニウムは、塩酸のような酸とも、水酸化ナトリウム水溶液のような強い塩基とも反応して、水素を出します。
表面の酸化物の膜が先ず溶けるので、泡が出始めるまでに少し時間が掛かります。

2\mathrm{Al} + 6\mathrm{HCl} \longrightarrow 2\mathrm{AlCl_3} + 3\mathrm{H_2}

2\mathrm{Al} + 2\mathrm{NaOH} + 6\mathrm{H_2O} \longrightarrow 2\mathrm{Na[Al(OH)_4]} + 3\mathrm{H_2}

このように、酸とも強い塩基とも反応する金属を両性金属と言います。
亜鉛、スズ、鉛も両性金属です。

電気分解で作る

アルミニウムの原料は、ボーキサイトという鉱石です。
ボーキサイトから、純粋な酸化アルミニウム(アルミナ)を取り出します。

酸化アルミニウムは 2000 °C を超えないと融けないので、融かした氷晶石に溶かして、約 1000 °C で電気分解します。
このように、融かした物質を電気分解することを、溶融塩電解(融解塩電解)と言います。

陰極ではアルミニウムイオンが電子を受け取ってアルミニウムになり、陽極では炭素の電極が酸素と結び付いて二酸化炭素などになります。

アルミニウムはイオンになりやすいので、水溶液を電気分解しても水素が出るだけで、アルミニウムは取り出せません。
電気分解に大量の電気を使うので、アルミニウムは「電気の缶詰」とも呼ばれます。

リサイクルでエネルギーを節約する

使い終わったアルミニウム缶を融かして作り直すと、ボーキサイトから作るときの約 3 % のエネルギーで済みます。
そのため、アルミニウム缶は回収されて、また缶などに作り直されています。
日本のアルミ缶のリサイクル率は、9 割を超えています。

1 円硬貨は純粋なアルミニウムで出来ていて、重さは丁度 1 g です。

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