ナトリウム(外側の 1 個の電子・水との反応・黄色い炎)

電子は内側から 2 個、8 個、1 個

ナトリウムの原子は、原子核の周りに 11 個の電子を持っています。
電子は内側の電子殻から順に入り、K 殻に 2 個、L 殻に 8 個、M 殻に 1 個が入ります。

一番外側の M 殻には、電子が 1 個しかありません。
この電子を価電子と言い、ナトリウムの性質の多くは、この 1 個の電子で決まります。

リチウムやカリウムなど、他のアルカリ金属も、一番外側の電子殻に電子が 1 個です。

1 個の電子を手放してイオンになる

ナトリウムの原子は、外側の 1 個の電子を手放しやすい性質を持っています。
電子を 1 個失うと、残る電子は 10 個で、ネオンの原子と同じ並びになります。

電子が 1 個減ると、原子核の正の電荷の方が 1 つ多くなります。
こうして出来るのが、1 価の陽イオンであるナトリウムイオン \mathrm{Na}^{+} です。

M 殻がなくなるので、イオンは原子よりずっと小さくなります。
半径は、原子が約 186 pm、イオンが約 102 pm です(1 pm は 1 兆分の 1 m)。

陽イオンと自由電子で出来た金属

固体のナトリウムでは、ナトリウムイオンが規則正しく並び、その間を価電子が動き回っています。
この電子を自由電子と言い、自由電子によるイオン同士の結び付きを金属結合と言います。

ナトリウムでは、原子 1 個が出す自由電子が 1 個だけなので、金属結合が弱くなっています。
そのため、ナイフで切れるほど軟らかく、約 98 °C という低い温度で融けます。

切ったばかりの面は銀白色に光りますが、空気中の酸素や水と直ぐに反応して曇ります。

水と反応して水素を出す

ナトリウムを水に入れると、水素を出しながら激しく反応します。
ナトリウムは水より軽いので水面に浮かび、反応の熱で融けて丸くなり、水面を動き回ります。

反応で出来る水酸化ナトリウムは強い塩基です。そのため、フェノールフタレインを加えた水は赤くなります。

2\mathrm{Na} + 2\mathrm{H_2O} \longrightarrow 2\mathrm{NaOH} + \mathrm{H_2}

空気中の水分とも反応するので、ナトリウムは灯油の中に入れて保存します。

炎の色は黄色

ナトリウムを含む水溶液を白金線に付けてガスバーナーの炎に入れると、炎が鮮やかな黄色になります。
このように、元素によって炎に色が付くことを炎色反応と言います。

炎の熱で外側の電子がエネルギーの高い状態に上がり、元に戻るときに決まった波長の光を出します。
ナトリウムが出すのは、波長約 589 nm の黄色の光です。

味噌汁が吹き零れて、ガスコンロの炎が黄色くなるのも、汁に含まれる食塩のナトリウムによるものです。

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