リチウムの原子は、原子核の周りに 3 個の電子を持っています。
電子は K 殻に 2 個、L 殻に 1 個が入ります。
一番外側の L 殻の 1 個が価電子です。
ナトリウムと同じく、この電子を手放して、1 価の陽イオン \mathrm{Li}^{+} になります。
電子殻が 2 つしかないので、リチウムの原子はアルカリ金属の中で一番小さく、半径は約 152 pm です。
リチウムの密度は約 0.53 g/cm³ で、全ての金属の中で一番小さい値です。
同じ体積の水と比べると、重さは約半分しかありません。
ナトリウムやカリウムは灯油より密度が大きいので、灯油に沈めて保存出来ます。
リチウムは灯油(約 0.8 g/cm³)にも浮いてしまうため、表面を油で覆ったり、アルゴンの中に入れたりして保存します。
リチウムも水と反応して水素を出し、水酸化リチウムが出来ます。
水溶液は強い塩基性を示すので、フェノールフタレインを加えた水は赤くなります。
2\mathrm{Li} + 2\mathrm{H_2O} \longrightarrow 2\mathrm{LiOH} + \mathrm{H_2}
但し、反応はナトリウムよりずっと穏やかです。
リチウムは水面に浮いたまま、泡を出しながら少しずつ小さくなっていきます。
リチウムの融点は約 181 °C と高いので、ナトリウムのように反応の熱で融けて丸くなることはありません。
リチウムを含む水溶液を白金線に付けてガスバーナーの炎に入れると、炎が赤くなります。
炎の熱で外側の電子がエネルギーの高い状態に上がり、元に戻るときに、波長約 671 nm の赤い光を出すためです。
僅かな量でも炎に色が付くので、炎色反応を使うと、リチウムが含まれているかどうかを調べられます。
リチウムは、スマートフォンや電気自動車に使われるリチウムイオン電池の材料です。
充電すると、リチウムイオン \mathrm{Li}^{+} が正極から負極へ移り、負極の黒鉛の層の間に入ります。
放電するときは、リチウムイオンが負極から正極へ戻り、その間に電子が外の回路を通って負極から正極へ流れます。
リチウムは軽く、陽イオンになりやすいので、軽くて電圧の高い電池を作ることが出来ます。
2019 年には、リチウムイオン電池を開発した吉野彰ら 3 人がノーベル化学賞を受けました。