活動電位のしくみ(脱分極・再分極・イオンチャネルの開閉)

Na⁺ が流れ込む

閾値を越えると、閉じていた Na⁺ のチャネルが開きます。Na⁺ は外側に多いので、開いた通り道からいっせいに細胞の中へ流れ込みます。

Na⁺ はプラスの電気を持っています。それが内側へ入ってくるので、マイナスだった内側の電位が上がっていきます。これを脱分極といいます。

図の矢印は外から内を向いています。この向きこそが、活動電位の立ち上がりの正体です。

頂点で内側がプラスになる

Na⁺ が入り続けると、内側の電位は 0 を通り越してプラスまで上がります。頂点はおよそ +40 mV です。静止電位のときと符号が逆になっています。

ここで Na⁺ のチャネルは自分から閉じます。開きっぱなしにはならず、開いてすぐ閉じるようにできています。だから山には必ず終わりがあります。

頂点にいる時間はごくわずかです。活動電位の 1 発は、始まりから終わりまで 1 ミリ秒あまりで駆け抜けます。

K⁺ が出ていく

Na⁺ のチャネルが閉じるころ、今度は K⁺ のチャネルが大きく開きます。K⁺ は内側に多いので、開いた通り道から外へ出ていきます。

プラスの電気が出ていくので、上がっていた電位が今度は下がります。これを再分極といいます。

上げたのも下げたのもプラスのイオンです。違うのは向きだけで、入ってきたか出ていったかで電位の動く向きが決まります。

行き過ぎてから戻る

K⁺ のチャネルは閉じるのが遅く、電位が静止電位まで下がってもしばらく開いたままです。そのあいだも K⁺ が出ていくので、電位は静止電位より下まで行き過ぎます。グラフの終わりが少しへこんでいるのはこのためです。

やがて K⁺ のチャネルも閉じ、静止電位へ戻ります。

図の 4 つの場面が、グラフのどこにあたるかを重ねてあります。立ち上がりが Na⁺、下りが K⁺ です。この 2 つだけで、活動電位の形は全部説明がつきます。