軸索のある一点が興奮すると、そこだけ内側がプラス、外側がマイナスになります。静止しているところは内側がマイナス、外側がプラスのままです。
図では、興奮しているところと静止しているところが隣り合っています。内側どうしを見ると、片方がプラスで片方がマイナスです。
電位の違うところが隣り合えば、そこには電流が流れます。
興奮しているところから隣へ、細胞の内側を電流が流れます。これを局所電流といいます。
流れ込んだ電流は隣の膜の電位を上げます。上がって閾値に届くと、その膜の Na⁺ チャネルが開き、そこも興奮します。
隣が興奮すれば、そのまた隣との間に同じ電位の差ができます。だから同じことがくり返され、興奮は軸索を進んでいきます。これが伝導です。
無髄の神経繊維では、軸索のどこにも Na⁺ のチャネルがあります。だから興奮は、飛ばすところなく端から順に伝わっていきます。
図の光っているところが、いま Na⁺ が流れ込んでいる場所です。光は途切れずに、帯のまま進んでいきます。
後ろが暗いのは不応期に入っているからで、そこはもう興奮できません。だから光は前へだけ進みます。
この進み方には無駄があります。どの膜も、隣を興奮させるためにまず自分のチャネルを開き、自分の膜を充電しなければなりません。
膜を充電するのに時間がかかるので、そのぶん興奮の進みは遅くなります。無髄の神経繊維の伝導速度は、毎秒 1 メートル程度です。
速くする方法は 2 つあります。1 つは軸索を太くすることで、イカの巨大軸索がこれです。もう 1 つが、膜を絶縁して充電しなくてよい区間を作ることです。それが次の跳躍伝導です。