アンモニア性硝酸銀の水溶液にアルデヒドを入れて温めると、試験管の内側に銀が析出して鏡になります。
起きているのは、アルデヒドが銀イオンに電子を渡すことです。銀イオンは電子を受け取って銀になり、アルデヒドは自分が酸化されてカルボン酸になります。
つまりこの反応は「アルデヒドは酸化されやすい」という性質を、相手が還元される側から見たものです。
フェーリング液にアルデヒドを入れて加熱すると、赤色の沈殿が出ます。この沈殿は酸化銅(I) です。
銅(II) イオンが電子を受け取って銅(I) になり、そのぶんアルデヒドが酸化されてカルボン酸になります。銀鏡反応と同じ形です。
相手が銀か銅かの違いだけなので、どちらか一方が起きればもう一方も起きます。
アセトンを同じ試薬に入れても、銀は析出せず赤色沈殿も出ません。
アルデヒドとケトンはどちらもカルボニル基を持っています。違いは、その炭素に水素が付いているかどうかだけです。
酸化されてカルボン酸になるには、その水素のあった場所に酸素が入る必要があります。ケトンの炭素は両側が炭素なので、入る場所がありません。
ここで押さえるのは、起きるほうではなく起きないほうです。アルデヒドとケトンを見分ける問題は、この 1 点で解けます。
ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて温めると、黄色の沈殿が特有のにおいとともに出ることがあります。これがヨードホルムです。
この反応が起きるのは、CH₃CO- か CH₃CH(OH)- という形を持つものです。だからアセトンでもエタノールでもアセトアルデヒドでも起きます。ケトンでもアルコールでもアルデヒドでも起きるということは、官能基を当てているのではないということです。
いちばんはっきりするのはメタノールです。アルコールなのに起きません。ヒドロキシ基の隣に CH₃ がないからです。
塩化鉄(III) の水溶液を加えると、フェノールは紫色になります。
必要なのは、ベンゼン環に直接付いたヒドロキシ基です。サリチル酸もサリチル酸メチルも環にヒドロキシ基を持っているので紫色になります。
アセチルサリチル酸では紫色になりません。こちらはヒドロキシ基の側がエステルになっていて、環に付いたヒドロキシ基が残っていないからです。
サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸は、同じサリチル酸から作った似た形の 2 つですが、どちら側をエステルにしたかで、この試薬の答えが逆になります。