滑車は下図のように回転する歯車のようなもので、ひもをつけて両側におもりをぶら下げることができます。

pulley-1
例えば片方に10gのおもりをつけたら、もう片方にも10gをぶら下げないとひもはズルッとすべって、片側に落ちてしまうわけですね。たぶんここまでは簡単だと思います。
動滑車
中学受験の理科では動滑車が難しい。動滑車は、滑車が上下に動くようにしたものです。

pulley-2
上図にあるように、滑車そのものを天井にぶら下げています。ただし、片側だけが天井とつながっているので、ひもを離したら滑車は落ちてしまいます。
例えば10gのおもりをつけた状態で、どのくらいの重さで引っ張れば滑車は落ちないですむでしょうか?
10gでしょうか?
20gでしょうか?
5gでしょうか?
正解は5gです。動滑車の場合、おもりの半分の力で引っ張れば、滑車は動きません。
ポイント:
動滑車は半分の力で引っ張る。
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輪軸
滑車の応用が輪軸というものです。輪軸も滑車と同じように、ひもをつけて両側におもりをつけられます。ただし滑車と違って別々の歯車にひもをつけられます。
下図のように半径6cmの円と半径2cmの円があり、半径2cmの円のほうに24gのおもりがついているとしましょう。では6cmの円のほうに何gのおもりをつければ、2つのおもりがつりあって滑車が回らないようにできるでしょうか?

pulley-3
これは次のように考えてください。
2cmの円に24gのおもりがついているということは、輪軸をぐるっと回す力(難しい言葉でモーメントという)は
2cm×24g=48
です。ということは6cmの円も48のモーメントじゃないとだめですよね。もし50だったら、6cmの円のほうが重くなってしまうので、回転してしまいます。36でもだめです。きっかり48じゃないとだめ。
ポイント:
左右のモーメントを同じにする。モーメントは重さと半径をかけた値。「モーメントってなんなんだ…!」と深く考える必要はありません。ざっくり言うと、ものを回転させるための力です。
さっきは2cmの円のほうのモーメントを計算しましたね。6cmのほうは
6cm×◯g=48
という式になります。◯はもちろん8です。ということで6cmの輪軸のほうには8gのおもりをつければいいことになります。