ASEAN・APEC・RCEPとは:地域経済協力の仕組み|高校経済
世界各地で国々が協力して経済圏を形成する動きが広がっています。ASEAN、APEC、RCEPなどの地域経済協力は、貿易の拡大や経済成長を目指す取り組みです。それぞれの特徴と、日本との関わりについて解説します。
ASEAN(東南アジア諸国連合)
ASEANは1967年に設立された、東南アジア10か国で構成される地域協力機構です。
ASEANは当初、反共産主義を掲げる政治的な結束から始まりましたが、現在は経済協力が中心となっています。
域内の関税撤廃やサービス・投資の自由化を進め、2015年には「ASEAN経済共同体」(AEC)を発足させました。
| 加盟国 | 加盟年 |
|---|---|
| インドネシア | 1967(原加盟) |
| マレーシア | 1967(原加盟) |
| フィリピン | 1967(原加盟) |
| シンガポール | 1967(原加盟) |
| タイ | 1967(原加盟) |
| ブルネイ | 1984 |
| ベトナム | 1995 |
| ラオス | 1997 |
| ミャンマー | 1997 |
| カンボジア | 1999 |
ASEANは人口約6.7億人、GDPは約3.6兆ドル(2022年)で、経済成長が続く有望な市場として注目されています。
APEC(アジア太平洋経済協力)
APECは1989年に発足した、アジア太平洋地域の21の国・地域が参加するフォーラムです。
アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄を目指し、貿易・投資の自由化、経済技術協力を推進します。
法的拘束力を持たない「緩やかな協力体」であり、合意は自主的な取り組みに委ねられます。
日本、アメリカ、中国、韓国、オーストラリア、ASEAN諸国など21の国・地域。台湾、香港も「エコノミー」として参加しています。
APECでは首脳会議が毎年開催され、地域の経済課題について議論が行われます。
RCEP(地域的な包括的経済連携)
RCEPは2022年に発効した、世界最大級の自由貿易協定です。
高水準の自由化を追求。参加11か国。アメリカは離脱
中程度の自由化水準。参加15か国。中国が参加
RCEPの参加国は、ASEAN10か国に日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドを加えた15か国です。世界人口の約3割、世界GDPの約3割を占める巨大経済圏が誕生しました。
品目数ベースで約91%の関税が最終的に撤廃されます。ただし、コメなど日本の重要品目は例外扱いです。
「RCEP原産品」として認められれば、域内どこでも特恵関税の適用を受けられます。
日本にとって、中国・韓国と初めて結ぶ経済連携協定という点で歴史的な意義があります。
その他の地域経済協力
| 名称 | 地域 | 特徴 |
|---|---|---|
| EU | 欧州 | 最も統合が進んだ地域。単一通貨ユーロ |
| USMCA | 北米 | 米・加・墨の自由貿易協定(旧NAFTA) |
| メルコスール | 南米 | 南米南部の関税同盟 |
| アフリカ連合 | アフリカ | アフリカ大陸自由貿易圏を推進中 |
日本と地域経済協力
グローバル化の進展
多国間での経済連携が重要に
日本はASEAN、RCEP、TPPなどに参加
成長するアジア市場との結びつきを強化
日本にとって、ASEANは輸出入ともに中国に次ぐ重要な貿易相手です。また、多くの日本企業がASEAN諸国に生産拠点を置いています。地域経済協力は、日本経済の成長戦略においても重要な位置を占めています。
地域経済協力は、自由貿易の推進と国内産業の保護のバランスを取りながら進められています。参加各国の利害調整は容易ではありませんが、協力を通じて共に発展することが目指されています。