カルボン酸とはCOOHのカルボキシ基をもつ物質のこと。酢酸はカルボン酸の一つで、他にギ酸やオレイン酸などがある。
カルボン酸
RCOOHのRによってそのカルボン酸が決まる。RがHのときはギ酸、RがCH3のときは酢酸となる。Rが飽和か不飽和かによって、そのカルボン酸を飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸という。
飽和カルボン酸
| 名称 | 示性式 |
|---|---|
| ギ酸 | HCOOH |
| シュウ酸 | (COOH)2 |
| 酢酸 | CH3COOH |
| プロピオン酸 | C2H5COOH |
| 酪酸 | C3H7COOH |
| ラウリン酸 | C11H23COOH |
| トリデシル酸 | C12H25COOH |
| パルミチン酸 | C15H31COOH |
| ステアリン酸 | C17H35COOH |
カルボン酸2
不飽和カルボン酸
| 名称 | 示性式 |
|---|---|
| オレイン酸 | C17H33COOH |
| リノール酸 | C17H31COOH |
| リノレン酸 | C17H29COOH |
カルボン酸3
飽和と不飽和の違い
カルボン酸はCH2が鎖状に結合している。飽和カルボン酸はこの鎖が直線であり、不飽和カルボン酸は(二重結合を中心に)鎖が曲がっている。
不飽和カルボン酸は曲がっているため融点が低くなる。例えばステアリン酸よりもオレイン酸のほうが融点は低い。
ジカルボン酸(マレイン酸とフマル酸)
試験ではマレイン酸とフマル酸は非常によく出る。どちらもCOOHを二つもち、互いに幾何異性体である。
カルボン酸4
| 分類 | 形 |
|---|---|
| マレイン酸 | シス型 |
| フマル酸 | トランス型 |
マレイン酸は分子内で脱水し、無水マレイン酸となる。
カルボン酸5
マレイン酸とフマル酸が幾何異性体であること、マレイン酸が分子内脱水で無水マレイン酸になることが重要である。無水マレイン酸の構造式は書けるようにしよう。
乳酸
乳酸は光学異性体をもつ代表的な物質で、一つの炭素にH、CH3、COOHがついている。
カルボン酸6
目次(炭化水素)
炭化水素の概要:飽和と不飽和、鎖式と環式
アルコール
エチレン
アセチレン
アルデヒド(ホルムアルデヒドなど)
ケトン(アセトンなど)
カルボン酸の種類と例(ギ酸など)
カルボン酸の一覧
酢酸と無水酢酸
乳酸と光学異性体
グリセリンと油脂
グリセリンとセッケンとけん化
有機化合物の官能基一覧