ゴムは基本的にブタジエンなどの単量体が付加重合してつくられる。高校化学で扱うゴムは合成ゴム、天然ゴム、ケイ素ゴムの三種類。
合成ゴム
それぞれの単量体と重合体とゴムの性質を整理してみよう。
ゴム | 略称 | 例 | 性質 |
---|---|---|---|
ブタジエンゴム | BR | 靴底 | 耐老化性 |
クロロプレンゴム | CR | 接着剤 | 耐燃性 |
スチレンブタジエンゴム | SBR | タイヤ | バランスに優れる |
アクリロニトリルブタジエンゴム | NBR | 耐油用製品 | 耐油性 |
天然ゴム
天然ゴムはゴムの木が作られるゴムで、その樹液はラテックスという。主成分はポリイソプレンで、その単量体はイソプレン。
ポリイソプレンは合成ゴムのような単純な重合ではない。
ケイ素ゴム
ケイ素ゴムはシリコーンゴムともいう。ジクロロジメチルシランと水が重合したもので、厳密には付加重合でない。
シリコーンゴムは高価で医療などに使われる。
ゴムの加硫
ゴムに硫黄を混ぜて化学的変化を加えられる。これを加硫という。
例えばポリイソプレンは加硫によって弾力性が変わる。鎖状のポリイソプレンがバラバラにある状態を生ゴムというが、加硫によってポリイソプレンの鎖どうしがつながる。
これを硫黄による架橋という。硫黄の架橋によって生ゴムは固くなり、やがてエボナイトなどの固形になる。
硫黄の架橋はゴムに限らず、私たちの生体内物質のほとんどに見られる現象で、タンパク質(あるいはアミノ酸の鎖)どうしは硫黄によってつながっている。タンパク質内における硫黄の架橋は 1 つあたり硫黄原子が 2 個つかわれていることから、この結合をジスルフィド結合という。