乳酸はカルボン酸の 1 つで、中心に不斉炭素原子をもつ。
不斉炭素原子とは、結合先がすべて異なる炭素原子のこと。乳酸は不斉炭素原子を中心にH、OH、CH3、COOHがついている。この4つはほぼ正四面体をなしている。
不斉炭素原子をもつ分子は光学異性体がある。光学異性体とは、化学式は同じだが、構造が鏡像の関係にある異なる分子のこと。日本の高校化学では「光学異性体」という言葉を使っているが、鏡像異性体と言ったほうが本来は正確かもしれない。
乳酸の光学異性体
乳酸はL乳酸とD乳酸がある。
どちらがLでDかは、OHを上から見た図でわかる。
COOH、CH3、Hの順が、L乳酸では反時計回り(数学でいう正の方向)だが、D乳酸では時計回り(数学でいう負の方向)である。これはあくまで OH 基を上から見た方向である。
D乳酸 時計回り
L乳酸 反時計回り