銀(Ag)は原子番号47、11族5周期の遷移元素で、同族に銅と金がある。熱伝導性と電気伝導性は金属で最も高く、非常に酸化されにくい。
項目 | Ag |
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原子番号 | 47 |
族 | 11 |
周期 | 5 |
電子殻 | 2, 8, 18, 18, 1 |
原子量 | 107.9 |
分類 | 遷移元素 |
常温 | 固体 |
酸化数は +1 で、ハロゲンなどとは難溶性の塩を作る。
沈殿
化合物 | 色 |
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AgCl | 白 |
AgBr | 淡黄色 |
AgI | 黄色 |
Ag2O | 褐色 |
Ag2S | 黒 |
Ag2CrO4 | 赤 |
2Ag+ + S2- → Ag2S
酸化反応
銀は酸化されにくいが、希硝酸、濃硝酸、熱濃硫酸に溶ける。
銀と濃硝酸
Ag + 2HNO3 → AgNO3 + NO2 + H2O
銀と希硝酸
3Ag + 4HNO3 → 3AgNO3 + NO + 2H2O
銀と熱濃硫酸
2Ag + 3H2SO4 → 2AgHSO4 + SO2 + 2H2O
感光
古い写真のフィルムには、臭化銀(AgBr)が感光剤として使われていた。
感光における反応
2AgBr → 2Ag + Br2
錯イオン
銀に水酸化ナトリウム水溶性を加えると褐色沈殿が生じる。これは酸化銀(Ⅰ)である。酸化銀の沈殿は大量のアンモニア水によって溶解する。これは銀イオンが錯イオンをつくるため。