軽元素の起源 — 宇宙の 4 分の 1 がヘリウムである理由

最初の 分

晴れ上がりよりずっと前、宇宙が始まって 秒ほどのころは、温度が K ありました。原子核はまだなく、陽子と中性子がばらばらに飛び回っています。

膨張とともに温度は下がります。光が満ちているあいだ、温度は時間の平方根に反比例します。 秒で K、 秒で K ほどです。

原子核ができるには、ちょうどよい温度の窓が要ります。熱すぎると、組み上がったそばから壊されます。冷えて薄くなりすぎると、今度は粒どうしが出会えません。

その窓は、始まってから 秒から 秒あたり、温度でいえば K の前後です。宇宙にある軽い元素は、この数分のあいだにできました。

中性子と陽子の数の比

材料は陽子と中性子の 種類です。重さはほとんど同じで、中性子のほうがわずかに重いだけです。

熱いあいだ、陽子と中性子は互いに移り変わります。行き来が速いので、数はほぼ同じに保たれます。

冷えてくると、重いほうを作るのが割に合わなくなり、中性子の割合が減っていきます。さらに、原子核に入っていない中性子は 分ほどで陽子へ崩壊します。

元素ができはじめるころ、比は で落ち着いていました。この つの数が、このあとの存在比をほとんど決めてしまいます。

中性子はほとんどヘリウムに入る

中性子は単独では崩壊しますが、原子核に入ってしまえば安定します。ですから中性子は、行き先があるかぎりヘリウム に入ります。

ヘリウム は陽子 つと中性子 つでできています。中性子 つが入るとき、陽子も つ連れていきます。

陽子 個と中性子 個から始めてみます。中性子 個が陽子 個と組んでヘリウムが つでき、陽子が 個残ります。残った陽子はそのまま水素です。

重さで数えると、ヘリウムが 、水素が です。全体の がヘリウムになります。 という つの数から、この が出てきます。

観測される存在比と合う

実際に測ると、宇宙の物質は重さで水素が 、ヘリウムが です。古い星でも、遠い銀河のガスでも、この比はほとんど変わりません。

ヘリウムは星の中でも作られますが、それだけでは足りません。星が作ったぶんだけなら、古い天体ほどヘリウムが少ないはずです。ところが、どれだけ古いものを見ても を下回りません。

作り残しとして、重水素とリチウム もごくわずかにできます。重水素は水素 万個に 個ほど、リチウム はそこからさらに 桁少ない量です。

この つの量は、材料の密度を つ決めれば同時に決まります。 つとも観測に合う密度はほとんど 点しかなく、それが宇宙にある通常の物質の量を教えます。

宇宙論の基本