甲状腺のフィードバック(放出ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・負のフィードバック)

上から順に押す

甲状腺のホルモンは、甲状腺が勝手に出しているのではありません。上に 2 段の階層があります。

まず視床下部が放出ホルモンを出します。これは体の値を直接動かすものではなく、次の段を押すためだけに出るホルモンです。

押された脳下垂体が、甲状腺刺激ホルモンを出します。これも値を動かしません。さらに次の段を押すためのものです。

3 段目で、はじめて値が動く

押された甲状腺が、チロキシンを出します。これがようやく、体じゅうの細胞に届いて代謝を上げる、値そのものにあたるホルモンです。

上の 2 段が出しているのは、押す力だけです。グラフに出ている濃さは 3 段目のもので、上の 2 つはその濃さを決める側にいます。

なぜわざわざ 3 段にするのか。段を分けておくと、途中の段でも量を加減できます。大もとの視床下部は体のほかの様子も受け取っていて、必要ならそこで押す力を変えられます。

出たものが、上へ戻って抑える

血の中のチロキシンが増えると、それが視床下部と脳下垂体に届きます。届いた 2 つは、押す力を弱めます。

増えたことが、増やす働きを止める側に回る。これが負のフィードバックです。押す力が弱まればチロキシンは減り、減れば押す力がまた戻ります。

図の下向きの矢印が押す向き、上向きの矢印が抑える向きです。この 2 つの向きが釣り合うところで、濃さは落ち着きます。

外から入れると、上の 2 つが下がる

チロキシンを注射すると、血の中の濃さが上がります。

上がったことは視床下部と脳下垂体にも届くので、押す力は弱まります。甲状腺刺激ホルモンの量は、平常のときより下がります。

外から入れたのに、体の中の信号は減る。一見おかしく見えますが、輪の形からすればこうなるほかありません。この下がり方は実際に測ることができ、甲状腺の具合を調べるのに使われています。