細胞は生きているあいだ休まず働いていて、そのたびに熱が生まれます。何もしていないつもりのときも、体の中では熱が作られつづけています。
この熱を作る働きを代謝といいます。運動をすれば増えますが、止まっていても 0 にはなりません。
図の上向きの矢印が、作られている熱です。
体のまわりの空気は、たいてい体温より冷たいところにあります。熱は温かいほうから冷たいほうへ移るので、体からは絶えず熱が逃げています。
逃げる量は、体温と外の気温の差で決まります。差が大きいほど速く逃げ、差が小さければゆっくりになります。
図の外向きの矢印が、逃げていく熱です。
作る量と逃げる量は、どちらも 0 ではありません。それでも体温が動かないのは、2 つがちょうど同じ量になっているからです。
体温が高くなれば外との差が広がって、逃げる量が増えます。低くなれば差が縮んで、逃げる量が減ります。だから体温は、作る量と逃げる量が等しくなるところへ落ち着きます。
一定というのは、止まっているという意味ではありません。同じだけ入って同じだけ出ている、という意味です。
寒いところへ出ると、体温と外の気温の差が広がります。逃げる量だけが増え、作る量はそのままなので、釣り合いが崩れて体温が下がりはじめます。
ここで体は、作る量のほうを増やして釣り合いを取り直します。増やす手だてがふるえや代謝の底上げで、次の記事で扱います。
外の気温が変わっても体温が変わらないのは、外に合わせて作る量を動かしているからです。