韓鶴子総裁に懲役 2 年、韓国政府は旧統一教会の法人格取り消しを検討
2026年9月1日 10:17
韓国のソウル中央地裁が 8 月 31 日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁(83)に懲役 2 年の実刑判決を言い渡した [1]。特別検察官の求刑は懲役 13 年だった [1]。
問われたのは、前政権から便宜を受ける目的で金品を渡したとする政治資金法違反などである [1]。判決は、尹錫悦前大統領に近かった与党「国民の力」の権性東元議員へ政治資金 1 億ウォンを渡したことと、同党の議員らへ教会の資金から計 1 億 4400 万ウォンを出したことを認めた [1]。尹氏の妻の金建希氏へは、シャネルの高級なかばんやネックレスを手渡したと指摘している [1]。
このほかに、およそ 105 億ウォン(約 12 億円)の横領、約 260 億ウォン(約 30 億円)を個人の金庫へ隠したこと、132 人の政治家への違法な政治資金の寄付も容疑に挙がっていた [2]。地裁は、国家政策の公正な執行に対する国民の信頼と期待が損なわれたと述べた [2]。家庭連合は、判決に納得しかねるとする声明を出している [3]。
韓国の李在明政権は、教団の法人格を取り消すことも検討している [2]。根拠になるのは民法で、公益を害する行為をした法人の格を取り消せる [2]。失えば税制上の優遇は受けられなくなる [2]。捜査そのものは、前政権をめぐる特別検察官の調べから広がったもので、韓氏の逮捕状が出たのは 2025 年 9 月である [6]。
日本では今年、東京高裁が出した解散命令が最高裁で確定し、清算の手続きが始まっている [4][5]。民法上の不法行為を理由に宗教法人の解散が確定したのは、これが初めてになる [5]。高裁は、旧統一教会であることを隠したうえで先祖の因縁といった虚偽を用い、判断力を損なわせて過大な献金を勧誘したと認め、2009 年のコンプライアンス宣言のあとも同じことが続いたと指摘した [4]。
資金の流れも変わった [2]。東京高裁の決定によれば、2018 年度から 2022 年度にかけての海外への送金は年におよそ 83 億円から 179 億円で、9 割を超える分が韓国へ向かっていた [2]。日本での解散によって、この流れは途絶えている [2]。
日本での解散命令が資金を断ち、韓国では総裁に実刑が出て、法人格そのものも問われはじめた。教団の重心が置かれてきた国の側で、足元が同時に崩れる形になっている。
参考文献
- [1]テレビ朝日(【速報】旧統一教会・韓鶴子総裁に懲役 2 年の判決 政治資金法違反など ソウル中央地裁)
- [2]読売新聞オンライン(旧統一教会の解散、韓国でも現実味)
- [3]世界日報(韓鶴子総裁に懲役 2 年 韓国地裁 「納得しかねる」家庭連合が声明)
- [4]NHK(旧統一教会に解散命令 東京高裁 清算の手続き始まる)
- [5]日本弁護士連合会(旧統一教会に対する解散命令確定に当たっての会長談話)
- [6]長周新聞(韓国で暴かれる宗教右派の生態 統一教会関連施設を一斉捜査)