まな板を使わない「包丁キャンセル」、タイパを最も意識する家事は調理
2026年9月1日 10:21
包丁を使わずに料理する「包丁キャンセル」という言い方が広がっている [1]。キッチンバサミなどで食材を切る作り方を指し、共働きの世帯や若い層を中心に取り入れられている [1]。
効き目は、道具そのものより手順にある。はさみならまな板を出す必要がなく、鍋やボウルの上で直接切って落とせる [1]。切る時間だけでなく、洗い物と片づけの時間も削れる [1]。
神奈川県に住む 33 歳の会社員の女性は、フルタイムの勤務と育児を並行させるなかで、料理にかける手間を極力減らしたいと考えて取り入れた [1]。料理のハードルがぐっと下がる、と話している [1]。
日本生活協同組合連合会が 2023 年 9 月に行った調査では、時間対効果を最も意識する家事として「調理・食事の支度」が挙がり、42.8% を占めた [2]。2 位の「食事の後片付け」が 20.8%、3 位の「買い物」が 19.6% で、差は大きい [2]。年代別に見ると 20 代が 50.0%、30 代が 48.6%、40 代が 49.0% と、若い層ほど高い [2]。有効な回答は 3157 件である [2]。
自炊そのものは増えている。ある調査では、毎日自炊する層が 49.2% から 55.0% へ伸び、30 分以内で済ませる「時短層」も 42.6% から 45.9% へ広がった [3]。理由として多く挙がったのは、外食の費用が高いことと節約したいことだった [3]。作る回数が増えるほど、1 回あたりの手間を削る動機は強くなる。
作り方の側も寄ってきている。料理研究家の長谷川あかりさんの「酒蒸しハンバーグ」は、ヘラで肉だねを混ぜて蒸すだけという簡単さで交流サイトに広まった [1]。手も汚さず、洗う器具も増やさない形である。
手を抜くと言われてきたやり方が、時間の使い方として選ばれるようになった。包丁を持たないことが後ろめたさから外れるかどうかは、作る回数が増えている今のほうが問われる。
参考文献
- [1]AERA DIGITAL(料理にタイパ「包丁キャンセル」 共働き時代の料理)
- [2]日本生活協同組合連合会(「家事」への意識についてのアンケート調査 タイムパフォーマンスを意識する家事の 1 位は「調理・食事の支度」)
- [3]Nadia(【2026 年自炊意識調査】「毎日自炊」派が 55% に!)