炭酸ナトリウム水溶液は塩基性です。弱酸と強塩基の塩は弱塩基になることを思いだしましょう。
この塩に酸塩を加えていくと次のように反応が進み、少しずつ酸性になっていきます。
Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl
NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
最初の中和は1番目の式です。これで炭酸水素ナトリウムの塩が生じます。この塩はまだ弱塩基で、塩酸をさらに加えると次の中和に移行します。
2回目の中和は2番目の式です。こうして中和はすべて終わります。
炭酸ナトリウムは以上のように段階的に中和しますが、この中和点を知るには、フェノールフタレイン溶液とメチルオレンジの両方が必要です。
1回目の中和 → フェノールフタレイン溶液
2回目の中和 → メチルオレンジ
1回目の中和で塩基から中性付近になります。これはフェノールフタレイン溶液が赤色から無色になることでわかります。2回目の中和は中性から酸性になります。これはメチルオレンジが黄色から赤色になることでわかります。