水溶液の酸性の度合い、またはアルカリ性の度合いは pH（ペーハー）でわかる。
pH は 0 から 14 まで。濃い塩酸や硫酸の pH は 0 に近く、濃い水酸化ナトリウム水溶液の pH は 14 に近い。また中性の水溶液の pH は概ね 7 前後。
酸性 … 中性 … アルカリ性
pH の定義
酸の pH
塩基の pH
ただし対数の底は 10 とする。
塩酸の pH の求め方
の塩酸を考えよう。塩酸はほぼ完全に電離するから となる。
となり の塩酸の pH は 1 であるとわかる。
塩酸の濃度と pH の関係
の塩酸の pH は 1
の塩酸の pH は 2
の塩酸の pH は 3
の塩酸の pH も求めてみよう。
となり の塩酸の pH は であるとわかる。
水酸化ナトリウム水溶液の pH の求め方
例えば の水酸化ナトリウム水溶液を考えよう。水酸化ナトリウム水溶液もほぼ完全に電離するから である。
となり の水酸化ナトリウム水溶液の pH は 12 であるとわかる。
水酸化ナトリウム水溶液の濃度と pH の関係
の水酸化ナトリウム水溶液の pH は 13
の水酸化ナトリウム水溶液の pH は 12
の水酸化ナトリウム水溶液の pH は 11
の水酸化ナトリウム水溶液の pH も求めてみよう。
となり の水酸化ナトリウム水溶液の pH は であるとわかる。
硫酸の pH の求め方
ここから少し難しくなる。硫酸は 2 価の酸である。
H2SO4 → 2H+ + SO42-
であるから、水素イオン濃度はもとの硫酸の濃度のちょうど 2 倍になる。
例えば の硫酸を考えよう。硫酸は 2 価でほぼ完全に電離するから である。
となり の硫酸の pH は であるとわかる。同じ濃度の塩酸と pH が異なることに注意しよう。
の塩酸の pH は
の硫酸の pH は
同じ濃度であれば硫酸のほうが塩酸よりも pH が小さくなる。
