酸の価数とは、分子 1 個が電離したときに放出する水素イオンの数。
上式から塩酸の価数は 1、硫酸の価数は 2 とわかる。代表的な「酸の価数」を下表にまとめた。
| 名称 | 化学式 | 放出する H⁺ の数 | 価数 |
|---|---|---|---|
| 塩酸 | HCl | 1 | 1 価 |
| 硫酸 | H₂SO₄ | 2 | 2 価 |
| リン酸 | H₃PO₄ | 3 | 3 価 |
塩基の価数
塩基の価数とは、分子 1 個が受けとる水素イオンの数。
アンモニアは 1 個、水酸化マグネシウムは 2 個の水素イオンを受けとっているから、アンモニアの価数は 1、水酸化マグネシウムの価数は 2 とわかる。
ここで解説した塩基の価数はブレンステッドの定義による。多くの学校はアレーニウスの定義を用いて「OH⁻ を放出する数」を塩基の価数と教えるかもしれない。
しかしアレーニウスの定義を使うと、NH₃ のように OH⁻ をもたない分子について塩基の価数を定義できない。そのため一般的にはブレンステッドの定義を使う。