塩素は 17 族ハロゲンの一つで、黄緑色・刺激臭の有毒な気体。
項目 | 内容 |
---|---|
原子番号 | 17 |
周期表 | 3 周期 17 族 |
原子量 | 35.45 |
分子量 | 70.9 |
常温状態 | 気体(黄緑色) |
元素区分 | 典型非金属 |
高校化学では、さらに次の性質が重要。
黄緑色の気体
刺激臭
空気よりやや重い
酸化作用が強い
金属と反応する
塩素のある代表的な物質
HCl(塩化水素)
無色、刺激臭。水に溶けると塩酸。
CaCl(ClO)・H2O(さらし粉)
塩酸を加えると塩素を発生させる。
CaCl2(塩化カルシウム)
気体の中性乾燥剤として使われる。ただしアンモニアは通してはいけない。
塩素が絡む化学反応式
工業的には食塩水の電気分解で集めるが、実験ではさらし粉に塩酸を加えるか、酸化マンガンに濃塩酸を加えるかで集める。
さらし粉に塩酸を加える
CaCl(ClO)・H2O + 2HCl → CaCl2 + 2H2O + Cl2
酸化マンガンに濃塩酸を加える
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
塩素と水の反応
Cl2 + H2O ↔ HCl + HClO
塩素と水が反応してできる HClO は弱酸であるが、強い酸化剤で殺菌作用がある。
金属との反応
2Na + Cl2 → 2NaCl
食塩水の融解塩電解
2Cl- → Cl2 + 2e- (陽極で発生)
水素との反応(光)
H2 + Cl2 → 2HCl (光を当てる)
食塩と硫酸の反応
NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl
食塩と硫酸の反応はいわゆる「揮発性酸塩と不揮発性酸の反応」である。これは揮発性の酸の塩に不揮発性の酸を加えると、揮発性の酸が遊離して不揮発性の酸の塩ができるという性質。大学受験でよく問われる。
揮発性酸塩 + 不揮発性酸 → 不揮発性酸塩 + 揮発性酸