加減法の応用・係数をそろえる(中学数学)
加減法で連立方程式を解くとき、消したい未知数の係数がそろっていなければ、式を何倍かして係数をそろえる必要がある。この操作は加減法の中でも最も頻出で、中学数学のテストでも定番の出題パターンだ。
係数が最初からそろっていない場合
次の連立方程式を見てみよう。
の係数は 2 と 1、 の係数は 3 と 2 で、どちらもそろっていない。このままでは足しても引いても未知数が消えない。そこで、式を何倍かして係数を合わせる。
②を 2 倍すると となり、 の係数が①と同じ 2 になる。
②’ から①を引けば が消える。
を②に代入して より が得られる。
片方だけ何倍にするか、両方か
係数をそろえる方法には、片方の式だけを倍にするパターンと、両方の式を倍にするパターンがある。
一方の係数が他方の倍数になっている場合に使える。計算量が少なく済むのが利点
どちらの係数も倍数関係にない場合に必要。最小公倍数を使って係数をそろえる
たとえば次の連立方程式では、 の係数が 3 と 5 で倍数関係にない。
を消去するなら、3 と 5 の最小公倍数 15 にそろえる。①を 5 倍、②を 3 倍すればよい。
①’ から②’ を引くと となり、 と少し面倒な値になる。こういうときは の係数をそろえるほうがよい。
を消去する方向で考えると、2 と 3 の最小公倍数は 6 だ。①を 3 倍、②を 2 倍する。
の係数が と で符号が逆なので、足し算で消去できる。
この例のように、どちらの未知数を消去しても計算がきれいにならないケースもある。実際の問題では整数解になるように作られていることが多いので、計算が複雑になったらどこかで間違えていないか確認するとよい。
係数をそろえる手順のまとめ
と のどちらを消すかを選ぶ。係数の小さいほう、または倍数関係があるほうを選ぶと楽になることが多い。
消したい未知数の係数の最小公倍数を計算する。
各式にそれぞれ何をかければ係数が最小公倍数になるかを考え、両辺を同じ数でかける。
係数がそろったら足すか引くかで消去し、あとは通常の加減法と同じ手順で解く。
符号に注意する
係数をそろえた後の符号の処理は、ミスが起きやすいポイントだ。
を消去するなら、3 と 2 の最小公倍数 6 にそろえる。①を 2 倍、②を 3 倍する。
の係数が と なので足し算で消去できる。
ここでも整数にならないが、実はこの問題を の係数で消去する方向に変えてみよう。4 と 3 の最小公倍数は 12 で、①を 3 倍、②を 4 倍する。
①’’ から②’’ を引くと でやはり割り切れない。この連立方程式は整数解を持たない例なのだ。テストでは整数解になる問題がほとんどだが、解法の練習としてはこうした例も経験しておくとよい。
練習問題
整数解になる問題で練習してみよう。
を消去するなら、2 と 3 の最小公倍数 6 にそろえる。①を 3 倍、②を 2 倍すると次のようになる。
①’ から②’ を引いて より が得られる。 を②に代入すると で となる。
連立方程式 で を消去したい。何倍にすればよいか。
- ①を 3 倍、②を 5 倍
- ①を 2 倍、②を 1 倍(そのまま)
- ①を 4 倍、②を 2 倍
係数をそろえる操作に慣れれば、大半の連立方程式は加減法で解ける。大切なのは「どちらの未知数を消すと楽か」を見極めることと、何倍にしたあとの符号処理を丁寧に行うことだ。
y の係数は 2 と 4 で、4 は 2 の倍数です。①を 2 倍すれば y の係数が 4 になり、②と同じ係数がそろいます。倍数関係を活かせば片方だけ倍にするだけで済みます。