LaTeX - \cfrac で連分数を組む

連分数(continued fraction)は、分母の中にさらに分数が入れ子になった構造を持つ数式です。LaTeX では \cfrac コマンドを使うことで、この連分数を見やすく記述できます。

\cfrac の基本構文

\cfrac\frac と同じく \cfrac{分子}{分母} の形で使います。違いは、入れ子になっても分子・分母が常にディスプレイスタイルの大きさで表示される点にあります。

\cfrac{1}{2 + \cfrac{1}{3 + \cfrac{1}{4}}}

上のコードは次のように表示されます。

各段の分数がしっかりとした大きさを保っており、構造が一目で把握できます。

\frac との比較

同じ連分数を \frac の入れ子で書くとどうなるでしょうか。

\frac{1}{2 + \frac{1}{3 + \frac{1}{4}}}

\frac の入れ子

深くなるほど分数が縮小し、最下層は非常に小さくなる。数式の構造を読み取りにくい。

\cfrac の入れ子

各段が均一なサイズで描画されるため、連分数の階層構造が視覚的に明確になる。

このように \frac では入れ子が深くなるにつれて文字が小さくなりますが、\cfrac なら各レベルのサイズが保たれるため、連分数には \cfrac が適しています。

実用的な連分数の例

黄金比 は連分数で次のように表現されます。

\varphi = 1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{1 + \cdots}}}

すべての項が 1 であるという美しい構造が、\cfrac によってはっきりと表現されています。

もうひとつ、円周率 の連分数展開も見てみます。

\pi = 3 + \cfrac{1}{7 + \cfrac{1}{15 + \cfrac{1}{1 + \cfrac{1}{292 + \cdots}}}}

連分数の項が深くなっても、\cfrac のおかげで各段の数値がつぶれることなく読めます。

左寄せ・右寄せ

KaTeX では \cfrac に加えて、分子を左寄せにする \cfrac[l] や右寄せにする \cfrac[r] もサポートされています。

\cfrac[l]{1}{2 + \cfrac[l]{1}{3}}

通常の \cfrac は分子を中央に配置しますが、連分数の慣例に合わせて左寄せにしたい場合に \cfrac[l] が役立ちます。数学書によって表記の流儀が異なるため、文脈に合わせて使い分けるのがよいでしょう。

\cfrac を使う場面の判断

連分数を書くとき

分母の中にさらに分数が続く構造には \cfrac が最適です。各段のサイズが均一に保たれ、読みやすい出力が得られます。

通常の分数を書くとき

単純な分数や浅い入れ子には \frac\dfrac で十分です。\cfrac は縦方向に大きなスペースを取るため、連分数以外の用途にはあまり向いていません。

連分数は整数論や近似計算など幅広い分野に登場する表現です。\cfrac を使いこなせば、こうした数式を正確かつ美しく組版できるようになります。