需要曲線と供給曲線:市場メカニズムの基礎
市場では、買いたい人と売りたい人が出会い、価格が決まります。この仕組みを理解するために、経済学では「需要曲線」と「供給曲線」という 2 つのグラフを使います。
需要曲線とは
需要曲線は、価格と消費者が買いたい量の関係を表したものです。
一般的に、価格が高いと買いたい人は少なくなり、価格が安いと買いたい人は多くなります。たとえば、りんごが 1 個 500 円なら買う人は少ないですが、1 個 100 円なら多くの人が買いたいと思うでしょう。このような関係をグラフにすると、右下がりの曲線になります。
買いたい量は少ない(需要量が小さい)
買いたい量は多い(需要量が大きい)
供給曲線とは
供給曲線は、価格と生産者が売りたい量の関係を表したものです。
生産者の立場で考えると、価格が高ければたくさん作って売りたいと思いますし、価格が安ければあまり作りたくありません。りんごが 1 個 500 円で売れるなら農家はたくさん作りますが、1 個 50 円ではほとんど作らないでしょう。このような関係をグラフにすると、右上がりの曲線になります。
均衡価格の決定
需要曲線と供給曲線を同じグラフに描くと、2 つの曲線が交わる点があります。この交点を「均衡点」と呼び、そのときの価格を「均衡価格」、取引される量を「均衡取引量」といいます。
需要量と供給量が一致する価格のことです。市場では自然とこの価格に落ち着く傾向があります。
価格が均衡価格より高いと売れ残りが発生し、価格は下がります。逆に均衡価格より低いと品不足が起き、価格は上がります。このように市場が自動的に調整する仕組みを市場メカニズムと呼びます。
需要・供給の変化
需要曲線や供給曲線は、さまざまな要因で移動することがあります。
需要曲線が右に移動する(需要が増える)のは、所得が増えたとき、その商品が流行したとき、関連商品の価格が変化したときなどです。たとえば、健康ブームでりんごの人気が高まれば、同じ価格でも買いたい人が増え、需要曲線全体が右に移動します。
供給曲線が右に移動する(供給が増える)のは、生産技術が向上したとき、原材料費が下がったとき、生産者の数が増えたときなどです。新しい農業技術でりんごが効率よく作れるようになれば、同じ価格でもより多く供給できるようになります。
このように需要と供給の変化によって均衡価格も変わり、市場では常に価格が動いているのです。