電離定数 Ka も 10⁻⁵ のような小さな数なので、pH と同じように桁で表します。pKa = −log Ka です。酢酸の Ka は 1.8×10⁻⁵ なので、pKa は 4.76 になります。
pKa が小さいほど強い酸です。リン酸の 1 段目は 2.15、酢酸は 4.76、炭酸の 1 段目は 6.35 で、この順に弱くなります。
図の数直線に、よく使う緩衝系の pKa を並べました。左が酸性側、右が塩基性側です。それぞれの系が、この位置のあたりで働きます。
HA と A⁻ の数がちょうど同じになったところを考えます。Ka = [H⁺][A⁻]/[HA] の [A⁻] と [HA] が約分されて消えるので、Ka = [H⁺] になります。
両辺の桁を取れば pH = pKa です。つまり pKa は、その酸をちょうど半分だけ中和したときの pH のことです。
図の帯が半々になったとき、下の pH の印が pKa の位置に来ています。pKa は表に載っている数であると同時に、実際に測れる pH でもあります。
A⁻ を増やして HA を減らせば、液は塩基側へ寄ります。逆にすれば酸性側へ寄ります。
動き方は割り算ではなく桁で決まります。A⁻ が HA の 10 倍なら pH は pKa より 1 だけ高く、100 倍なら 2 だけ高くなります。1/10 なら 1 だけ低く、1/100 なら 2 だけ低くなります。
図の帯をつまんで動かすように、比が動くと下の印が動きます。比が 10 倍動いて、やっと pH が 1 動く。これが緩衝液の効きの正体です。
いままでのことを 1 本にまとめたのが pH = pKa + log([A⁻]/[HA]) です。Henderson–Hasselbalch の式といいます。
目標の pH が決まれば、この式を逆に解いて混ぜる比が出ます。pH を pKa より 0.3 高くしたければ、A⁻ を HA の 2 倍にすればよいことになります。
ただしこの式は近似です。水そのものの電離を数えていないので、pH が 0 や 14 に近いところでは合わなくなります。イオンの多い液で pKa がずれることも入っていません。このツールの計算は、この式ではなく物質収支と電荷収支をそのまま解いています。