滴定はまず、濃度を調べたい液を決まった体積だけ量り取るところから始まります。使うのはホールピペットです。
ホールピペットは、真ん中がふくらんだ細いガラス管で、10.0 mL なら 10.0 mL だけを量る道具です。目盛りは 1 本しかありません。1 つの体積しか量れないかわりに、その 1 つを正確に量れます。
標線に液面の底を合わせます。目の高さを標線と同じにして、上からも下からも見ないようにします。量り取った液はコニカルビーカーへ移します。
濃度の分かっている液は、ビュレットに入れます。ビュレットは細長いガラス管で、下にコックが付いていて、落とす量を細かく加減できます。
目盛りは上が 0 で、下へ行くほど数が大きくなります。入れた液が減った量、つまり落とした量をそのまま読むための向きです。
読むのは液面のいちばん低いところです。水はガラスに沿って上がるので、液面は真ん中がへこんだ形になります。このへこみの底を、1 目盛りの 10 分の 1 まで目分量で読みます。
洗ったばかりの器具には水が残っています。これを使ってよいかどうかは、器具によって違います。
ビュレットとホールピペットは、これから入れる液で 2、3 回すすいでから使います。共洗いといいます。水が残っていると、入れた液がその水で薄まって濃度が変わってしまうからです。
コニカルビーカーは水で濡れたままでかまいません。中に入っている酸の物質量は、水を足しても変わらないからです。薄まって濃度は下がりますが、中和に要る塩基の量を決めるのは濃度ではなく物質量です。ここが、共洗いをする器具としない器具の分かれ目です。
中和が終わったことは、目には見えません。そこで、あらかじめ指示薬を数滴入れておきます。
コニカルビーカーの下には白いタイルを敷きます。色が変わった瞬間を見のがさないためで、暗い台の上では薄い色の変化が読み取れません。
落としながら、コニカルビーカーを回して混ぜ続けます。色が付いてすぐ消えるうちはまだです。振っても消えなくなったところで止め、そのときのビュレットの目盛りを読みます。これが終点です。