固定端反射と自由端反射の作図(反射波の描き方・端が節と腹になる理由)

返る波と、行く波が重なる

波が壁のような端まで来ると、そこで返ります。返りはじめてからしばらくのあいだ、行く波と返る波は同じ場所に居合わせます。入ってくるほうを入射波、返っていくほうを反射波といいます。

そのとき目に見えている形は、どちらか一方ではありません。前の講義のとおり、重なった所の変位は足し算です。 を入射波、 を反射波と読めば、そのまま反射の式になります。

図の破線が入射波と反射波、実線が実際に見えている形です。壁のあたりで高く盛り上がったり、逆に平らになったりしますが、どちらも 2 つを足した結果にすぎません。

ですから反射の問題は、いつも 2 段構えです。まず反射波がどんな形かを決める。つぎに入射波と足す。この順で考えれば迷いません。次の場面から、前半の「決める」をやります。

延ばして、折り返す

反射波の形は、覚えるものではありません。作図で出せます。手順は 3 つです。

1 つめ。壁がないものとして、入射波をそのまま先へ延ばします。図の薄い破線が、その延ばした部分です。壁の向こうに媒質はありませんから、これは下書きであって、実在する波ではありません。

2 つめ。壁の向こうへ出た部分を、壁について折り返します。壁からの距離が同じ所へ、鏡に映すように移すだけです。

3 つめ。端が固定端なら、さらに上下をひっくり返します。自由端ならひっくり返しません。ここだけが 2 つの端の違いで、あとの手順は同じです。

こうしてできた反射波と、入射波の壁より手前の部分を足せば、実際に見える形になります。壁の向こうの下書きは、最後に消してください。答えとして残すのは手前だけです。

固定端では上下がひっくり返る

なぜ固定端で上下が返るのか。理由は 1 つで、端が動けないからです。

固定端は壁に結びつけられていて動きません。つまり端の変位は、どの時刻でも 0 です。入射波が端へ山を届けていても、端の高さは 0 のままでなければなりません。式で書けば、端では が成り立ちます。

ここから反射波が決まります。端において、反射波は入射波とちょうど逆の高さを持つ。これが「上下をひっくり返す」ということです。図の桃色の点が端で、波がどれだけ来ても、この点だけは動きません。

パルスで見ると形がはっきりします。山で入った波は、谷になって戻ってきます。連続波なら、端はいつも節になります。あとで出てくる定常波で、固定した端が必ず節になるのは、この条件がそのまま効いているからです。

自由端はそのまま返る

自由端は、端が上下に自由に動ける場合です。軽い輪が棒にはまっていて上下にすべる、といった端を思ってください。端を押しとどめるものがないので、変位が 0 でなければならない理由もありません。

折り返すだけで、上下は返さない。それが自由端の反射です。端では入射波と反射波が同じ高さで重なるので、端の変位は入射波だけのときの 2 倍になります。図の下の段で、点がいちばん大きく振れているのがその瞬間です。

上の段が固定端、下の段が自由端です。同じ波を同じ位置の壁に当てても、端の条件が違うだけで、返ってくる形は上下が逆になります。反射を決めているのは波ではなく端だ、ということです。

まとめます。固定端は折り返して裏返す、端は節。自由端は折り返すだけ、端は腹。この 2 つを押さえておけば、残りはその場の作図で出せます。

シミュレーション波形は進み、媒質は進まない1 周期で 1 波長進む波の式は、遅れを書いただけ
シミュレーション縦波は進む向きに振動する縦波を横波に描き直す
シミュレーション重なっても、そのまま通り抜ける
シミュレーション端で折り返し、固定端だけ裏返る
シミュレーション逆向きに重なると、波は進まなくなる
シミュレーション入る波長は、とびとびに決まる
シミュレーションうなりの回数は、振動数の差
シミュレーション曲がるのは、速さが変わるから
シミュレーション波はすきまの先へ回りこむ
シミュレーション強め合う所は、経路差で決まる
シミュレーション2 つのすきまが、縞をつくる
シミュレーションすきまが増えると、線は鋭くなる
シミュレーション上の面と下の面で、2 度返る
シミュレーション動く音源は、波長を置き換える