波形の山を 1 つ選んで、印をつけて追いかけてみます。印が右の破線まで来たとき、その点はちょうど 1 回の振動を終えています。つまり波は、1 周期のあいだにきっかり 1 波長だけ進みます。
速さは「進んだ長さを、かかった時間で割ったもの」でした。進んだ長さが 、かかった時間が ですから、波の速さは です。波の速さの式は、これ以上でも以下でもありません。
ここで動いているのは波形であって、媒質ではありません。粒はその場で上下しているだけです。 は「形が進む速さ」であって、「粒が動く速さ」ではない、という区別だけは崩さないでください。
こんどは横軸に時間をとったグラフを見ます。山から次の山までが 1 回の振動で、それにかかる時間が周期 です。
1 秒間に何回振動するかを振動数といい、 で表します。1 回に 秒かかるのですから、1 秒間では 回です。だから となります。単位のヘルツは、そのまま「毎秒」という意味です。
これをさきほどの式に入れます。 の が ですから、 です。覚えるのはこの 1 本で足りますが、出どころは「1 周期で 1 波長」です。忘れたらそこへ戻ってください。
図の上と下は、速さが同じで波長だけが違う 2 つの波です。下の波長は、上のちょうど半分にしてあります。
同じ速さで進むのに波長が半分なら、同じ時間で 2 倍の数の波を送り出さなければ追いつきません。ですから下の振動数は上の 2 倍です。 が同じなら は一定で、 と は反比例します。
この関係は、 の 3 つのうちどれを固定するかで見え方が変わります。 を固定すれば と が反比例し、 を固定すれば と が比例します。問題を読むとき、まず「何が変わらないのか」を探すと迷いません。
波の速さを決めるのは媒質です。弦なら張り方と太さ、空気中の音なら温度で決まります。波源をどれだけ速くゆらしても、伝わる速さそのものは変わりません。
振動数を決めるのは波源です。1 秒間に何回ゆらすかは、送り出す側の都合です。そして境目で波が消えたり増えたりしない以上、届いた先でも振動の回数は同じでなければなりません。だから媒質が変わっても は変わりません。
すると、境目を越えて速さが変わったとき、変われるのは波長だけになります。図は速い媒質から遅い媒質へ入るところで、波長だけが短くなり、線は境目でつながったままです。
式にすれば です。屈折で「振動数は変わらない、波長と速さが同じ比で変わる」と言うのは、この 1 行のことです。