LaTeX の \cancel 系コマンド

数式で項を打ち消したいとき、\cancel 系のコマンドを使います。約分や消去を視覚的に示せます。

\cancel の基本

\cancel は左下から右上への斜線を引きます。

\frac{\cancel{a} \cdot b}{\cancel{a} \cdot c} = \frac{b}{c}

約分の過程をわかりやすく示せます。

4種類の打ち消し線

打ち消し線には4つのバリエーションがあります。

コマンド線の向き表示
\cancel左下→右上
\bcancel左上→右下
\xcancelバツ印(×)
\cancelto矢印付き

\bcancel

\bcancel は逆向きの斜線です。

\bcancel{abc}

\xcancel

\xcancel はバツ印で、より強い打ち消しを表現できます。

\xcancel{xyz}

\cancelto

\cancelto は打ち消した結果の値を示せます。第1引数が結果、第2引数が打ち消す式です。

\cancelto{1}{\frac{x}{x}}

極限で0になる項を示すときにも使えます。

\lim_{x \to 0} \left( 1 + \cancelto{0}{x} \right) = 1

実用例:因数分解の約分

分数の約分過程を丁寧に示す例です。

\frac{(x+1)\cancel{(x-2)}}{\cancel{(x-2)}(x+3)} = \frac{x+1}{x+3}

注意点

\cancel 系のコマンドは cancel パッケージが必要です。KaTeX では標準でサポートされていますが、環境によっては使えないことがあります。

打ち消し線は計算過程を示す教育的な文脈で特に役立ちます。