不活性気体と平衡移動(体積一定なら動かない・全圧一定なら分子数の多い側へ)

反応に出てこない気体を混ぜる

つりあっている容器へ、アルゴンのように反応に出てこない気体を混ぜます。図では灰色の粒として入ります。

混ぜた瞬間、反応に出てくる粒の数は 1 個も変わりません。窒素も水素もアンモニアも、さっきのままです。

それでも全圧は上がります。容器の中の粒が増えたからです。圧力が上がったのだから平衡が動くはずだ、と考えたくなるところが、この問題のつまずきどころです。

容器を変えなければ、何も起きない

容器の大きさをそのままにしておきます。すると何も起きません。図の帯も線も、混ぜる前と後でまったく動きません。

理由は濃度にあります。反応の速さを決めているのは、全圧ではなく、それぞれの物質の濃度です。濃度は数を体積で割ったものですから、数も体積も変わっていなければ、動きようがありません。

混ぜた気体は反応の式に出てきません。速さの式にも出てきません。だから全圧をいくら上げても、そこに顔を出さないものは平衡を動かせません。

全圧を保つと、容器が広がる

こんどは全圧を変えないでおきます。ピストンが自由に動く容器だと思ってください。

混ぜた気体のぶんだけ中の粒が増えるので、同じ圧力を保つには容器が広がるしかありません。図ではピストンが外へ押し出されます。

ここで初めて体積が変わります。体積が変われば濃度が変わり、濃度が変われば平衡が動きます。動かしているのは混ぜた気体そのものではなく、その結果として広がった体積のほうです。

広がったぶんだけ、左へ寄る

広がるというのは、狭めることの裏返しです。どの濃度も同じ倍率で下がり、指数の和が大きい側のほうが強く効きます。

アンモニアの合成は左辺が 4 分子、右辺が 2 分子です。広げると左辺のほうが強く落ちるので、つりあいは左へ、つまり分子の数が多い側へ寄ります。図ではアンモニアが減ります。

まとめると、混ぜた気体が反応に出てこないときは、容器の大きさが変わったかどうかだけを見ます。体積一定なら動かず、全圧一定なら分子の数が多い側へ動きます。全圧が上がったか下がったかを見ても、答えは出ません。

アンモニアの合成
シミュレーション止まっていないのに、変わらない狭めると、分子の数が減る側へ混ぜても、動くときと動かないときがある速さと平衡は、別のことを言っている分圧で作る平衡定数
二酸化窒素の二量化
シミュレーション温めると、熱を吸う側へ加えた変化を、和らげる向きへ何割が分かれているか
ヨウ化水素の生成
シミュレーションつりあうと、値が止まる始めの量を変えても、値は同じQ と K を比べれば、向きが分かる分子の数が変わらなければ、圧力は効かないつりあいの条件を、そのまま式にする
クロム酸と二クロム酸
シミュレーション加えると、反対側へ逃げる水は溶媒だから、式に出てこない